Nine ページ9
.
【ジョングク】
朝早くからの撮影が終わって家のドアを開けると、バタンっていう音が僕の耳に入った
ただいまって言っても返事がない。Aがいつも履いているお気に入りの靴が乱雑に脱ぎ捨てられていて珍しいなって思いながら廊下を進む
リビングに着くと、彼女がうつ伏せで倒れていた
持っていたリュックも鍵も床に置いてAに駆け寄る。抱き抱えると体はものすごく熱くて、呼吸が荒い
「A!!!」
名前を呼ぶと、うっすら目が開いた。
良かった。意識はある
「お...か..えり.......」
少し微笑みながら声を振り絞ってそういう彼女は、苦しそう
大混乱してる頭をフル回転させて、彼女をベットまで運ぼうと思って抱き抱える。思っていたよりも軽くて、足も腕も細い
華奢な腕は、少し力を入れれば折れてしまいそう
白くて綺麗な足は、真っ赤な噛み跡をつけたくなる
寝室に運んで、静かにベットに下す。汗を拭いて、水を飲ませると、落ち着いたのかさっきよりも顔の赤みがだいぶ引いた
まだ熱さが引いていない手を握ると、ごめんねって何回も謝る彼女。
「大丈夫だよ」
頭をぽんぽんと撫でると、えへへって笑うから、必死に抑えた
目をうるうるさせながら、そんな顔されたら反則
そんなことなんてお構いなしに、指を絡めてくる彼女は僕を殺そうとしてるのか
このままじゃ、僕が壊れてしまいそう。狂ってしまいそう
危険を察知して、ぬるくなったタオルを替えに行こうと立ち上がったら、弱い力で僕の指を握るA
「どこにも行かないで」
「そばにいて」
少し大胆になった彼女は、だめ?って聞いてくる
抑えていたものはいつのまにか外れていて、布団の上から抱きしめる。
いい匂い〜!って嬉しそうに笑ってる。
本当にその笑顔はやめてほしい
大好きが溢れて、制御が効かなくなる
2482人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あぽ(プロフ) - かわうそさん» ありがとうございますー!ぜひぜひ、楽しんでください!! (2021年5月29日 22時) (レス) id: a3b1bf1780 (このIDを非表示/違反報告)
かわうそ - 続編おめでとうございます!更新楽しみにしてます! (2021年5月29日 13時) (レス) id: 2b3a05bb5d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あぽ | 作成日時:2021年5月28日 10時