Twenty-Two ページ23
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もう日付が変わってる街中は、私たちの歩く音だけしかなくて、車なんか一台も通ってないのに、自然と車道側を歩いてくれる彼
突然繋がれた手から伝わる体温は、私の体温まで上げていく
『嘘ついてごめん』
そう話を切り出したのは彼の方。チラッと見ると、前を向いて少しだけ涙目になってる
『隠してたけど、やましい事は何もない。元カノを送った時、僕と二人きりじゃなくて他に男女二人いたんだ。』
『キスされた時も、相手が強引にしてきて、その場で元カノにちゃんと怒った』
でも、何で隠したの?
すぐ言ってくれたらよかったのに
『でも、僕がそのことを隠した事は事実だし、今から言うと言い訳になっちゃうけど、理由言ってもいい?』
ずっと前を向いてた彼がこちらを見て、大きくて少し湿っぽい目が私をしっかり捉えてる。綺麗で純粋な瞳を見て、急に恥ずかしくなった私はすぐに前に視線を移して、大きく頷く
『最近、仕事が忙しくてあんまり僕たちの時間がなかった。寂しい思いさせてるって分かってたし、僕も泣きたくなるくらい寂しくて抱きしめたかった。でも、Aに"元カノと会った" "合意じゃないけどキスもされた"なんて言ったら、Aが傷つくのが目に見えた』
だって、僕が同じ立場だったら、死にたくなるもん
そういってふふって笑うジョングクの握る手が少し強くなる
『大好きな人を傷つけたくない。だから、この事は無かったことにしようって。』
『Aのため取った最善策が、結局Aを傷つけてた』
ほんと、バカだよね僕
泣きそうで消えてしまいそうな声で呟いた彼と視線がぶつかった。
ああ、本当に
そんな優しい熱のこもった瞳で見つめないで
涙が
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あぽ(プロフ) - かわうそさん» ありがとうございますー!ぜひぜひ、楽しんでください!! (2021年5月29日 22時) (レス) id: a3b1bf1780 (このIDを非表示/違反報告)
かわうそ - 続編おめでとうございます!更新楽しみにしてます! (2021年5月29日 13時) (レス) id: 2b3a05bb5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あぽ | 作成日時:2021年5月28日 10時