26:懺悔 ページ27
姉を殺したのは私だと、目の前の幼馴染が言った。
ソイツは涙を流しながら語った。
サイドエフェクトのこと、姉のこと、全てを話した。
俺は、何も知らなかった。
小刻みに震えるAは、いつもの不機嫌そうな表情では無く、何かを恐れている子供のようだった。
何と、言ったら良いのだろうか。
俺には、わからない。言葉が出てこない。
姉が死んだのはとても悲しいことで、この四年間ずっと近界民を恨んできた。姉の仇を取る為に。
そして、そこから来る苛立ちを目の前のコイツにぶつけたこともあった。コイツを知らず知らずのうちに気付けていたのかも知れない。
「ごめんなさい」
Aはそればかりを繰り返す。涙がAの頬から離れ簡易ベッドに滴り落ちる。シーツに涙の跡が残る。けれどそれは、じわりと染み込んで消えては、また、濡れて、消えて、を繰り返す。
あの日、Aが俺に話しかけてきたことを思い出す。
姉さんを失ったショックから、俺はアイツを突き放した。あの時、Aの話を聞いていたら、この事態は防げただろうか。
「秀次、あのね…」
三輪「黙れ!家族を亡くした悲しみはお前にはわからない」
「私も、…ごめん」
「私 “ も ” 」、その後に続く言葉は冷静に考えることができる今、簡単に予想できる。
三輪「…すまない、俺は、俺は」
──「Aを許せない」
答えは、わかりきってる。
★☆★☆★☆
あらら、仲直り失敗??
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ゆう - 続き気になるー!本当に面白いです!できれば更新していただきたい。 (3月17日 19時) (レス) @page29 id: 619c9e8827 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ - ここで終わるのはもったいない…続き、気長に待ってますから (8月11日 14時) (レス) @page29 id: 97d79e1a3f (このIDを非表示/違反報告)
Doll(プロフ) - 嫌だ! (2018年12月21日 14時) (レス) id: 637c8a3b3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:緋イノラ猫 | 作成日時:2018年9月2日 0時