24:体温上昇 ページ25
夢ではないと判断すると、即座に三輪から離れる。心臓が激しくどくどくと脈打っている。恥ずかしくて、体中が熱い。
「ごめん。あの、その…。こ、混乱してて、その」
パンク寸前の脳みそで弁明の言葉を並べるとが、口がうまく回らない。途切れ途切れに、私の口から発せられる言葉。三輪は、それを微かに微笑みながら聞いている。恥ずかしい。
三輪「いや、良い。顔色、良くなってる」
そう言って三輪が目元を撫でる。あぁ、確かに頭痛がしない。けど、この距離は近過ぎないか?火照っている身体の熱は未だに冷めない。脈打つ心臓も、先程から速度を変えない。
すっと三輪の手が目元から離れると、なんだか「まだ触れられていたいなぁ」と思えてきて、自分で自分を殴りたくなった。
「三輪は、」
三輪「…秀次で良い。昔みたいに」
「え、うん。秀次は寝なくて良かったの?クマが…」
三輪「大丈夫だ」
「そっか」
三輪「怖い、夢でも見たのか?」
「あ、…うん」
三輪「そうか」
言えない。秀次が死ぬ夢を見た、なんて。それに、四年半前のことも。
三輪「俺のことか」
「へ?」
三輪「寝言で、秀次って言ってたから」
「…そっか、…知りたい?」
気が付けばそんなことを口走っていた。馬鹿だな、私は。けど、もう良いのかもしれない。こうして、また、あの頃のような距離感で話が出来てるなんて。
三輪「あぁ」
覚悟しろ、どうせ隠し通せないのだから。
私は、口を開き話し始めた。
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ゆう - 続き気になるー!本当に面白いです!できれば更新していただきたい。 (3月17日 19時) (レス) @page29 id: 619c9e8827 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ - ここで終わるのはもったいない…続き、気長に待ってますから (8月11日 14時) (レス) @page29 id: 97d79e1a3f (このIDを非表示/違反報告)
Doll(プロフ) - 嫌だ! (2018年12月21日 14時) (レス) id: 637c8a3b3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:緋イノラ猫 | 作成日時:2018年9月2日 0時