4話 ページ8
「っ、ふぇ…うわぁーん!!」
「な、泣かないでください…跡部さん…」
目を擦る少年とその横であわあわとする小さな少年。その隣で2人を見ている少女がいた
「僕が勝つところを見てほしかったのに、っうぅ…」
ポロポロと泣く跡部にアワアワとしている樺地。それがなんだかちぐはぐでおもしろい光景だった
少しして涙が止まるとAがようやく声をかけた
「さて、落ち着いたね」
「う"ん…」
まだ鼻声だが先程よりはマシだろう。少し笑ってしまったAにムッとなったが樺地に宥められてしまった
「結論からして君はまだ未完成だ」
「未完成…?」
キョトンとする跡部を他所にAは続けた
「確かに今までより動きは良くなっていたのかもしれない。でもまだまだ隙だらけ、少し体制を崩されればそこをつかれてボロボロだ。じゃあ、そうならないようにすべきことは?」
「隙を無くすこと…」
ポツリと言う跡部を心配そうに見ている樺地
「それもそうだね。けど!それだけじゃあダメだなぁ。何が足りないかわかるかな?」
「…樺地、分かるか?」
「いえ…」
2人でうーんと唸っているのを見かねてAはよいしょっと立ち上がった
「よし、じゃあ見てみよっか!!」
くるりと振り向いた瞬間、髪がふわりと膨らむ
キョトンとしている2人に笑っていた
「…え、っと見るって何を?」
「試合だよ」
おいで、と2人に手招きをした。そのまま抱き上げて両隣に座らせる。元々そこまで広くないベンチに3人も座るのは少し窮屈だったが嫌ではなかった
「試合って、テニスの?」
「そ、これなーんだ」
そういい取り出したのは1枚のチラシ。そこには近くで大会があることが書いてあった
「っこの人テレビで見た事ある!」
「ウス」
「1度プロの試合を見てみなよ。学べることは沢山あるよ」
紙には世界で活躍する選手ばかりが載っていた
だが、キラキラしていた目は次第に不安に変わっていく
「でも俺たちチケットなんて持ってな…」
「大丈夫大丈夫〜、ほら目を閉じて」
言葉を遮られた跡部と樺地は何が何だかよく分からないままAの手で目を塞がれてしまった
「お姉さん何するの…?」
その言葉は風によって遮られてしまった。ビュォーと強く吹いてきた風は次第に収まるとAの手が離れた
「さあ、課外授業だよ」
目の前は先程見ていた試合が行われていた
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雲雀 - まいさんへ俺は亀更新でも楽しみに待っています。なのでゆっくりでもいいので更新楽しみに待っています。 (2021年9月30日 19時) (レス) @page29 id: 69d630334c (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - 雲雀さん» コメントありがとうございます!亀更新ですがよろしくお願いします。 (2021年9月27日 12時) (レス) id: ed3b470f19 (このIDを非表示/違反報告)
雲雀 - 面白かったです。これからの更新頑張ってください!楽しみにして待っています。 (2021年9月25日 15時) (レス) @page32 id: 69d630334c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まい | 作成日時:2021年5月3日 14時