4話 ページ39
｢私は恋なんてしてないよ。そんなものは、絶対に｣
｢……そうなの？｣
そうよ、何を動揺している。私は監視者そんなことでいちいち止まっていられない
「恋とか、愛とか、私はしない。いいえ、してはいけない…だっていらないものだから」
監視者は世界の中立を保つため、自分より世界を優先にしなくてはならない。その為なら自分を殺してでも全うするのが当たり前でしょ
「そ、そんなのダメだよ！！」
剣太郎は目の前で立ち上がりそう言った
その目には何故か涙が溜まっていて、今にもこぼれそうだ
「恋はすっごいんだよ！パワー貰えるし、勇気も出るし、幸せにもなれる。でもちょっと凹んじゃったりするけど…それでも恋してるだけで毎日がすっごく楽しくなるんだ！！
だから、シロちゃん。嘘はついちゃダメ
いらないなんて、そんな悲しいこと言わないで…？」
ドキリ、とAの中で何かが動いた
嘘、私がいつ嘘をついたの
愛、恋、そんなの
いらない
いらない
いら…ない…？
「俺にはさ、シロが何を考えていて、何を思ってそんなことを言っているのか分からない。でもこれだけは分かるよ
そんな嘘をつき続けて辛いんじゃない？さっきから涙出てる」
「っ！？」
佐伯に言われ頬を触るとしっとりと濡れていた
あぁ、自分は泣いている。辛い苦しいと出せない声の代わりに流れていく。涙の味は苦くてとても辛くて自分が自分で無くなっていくように感じる
「あは、あはは…もうわっかんないよ
自分は何が良くて何がダメで何をしていいの…？私はそんな無駄なことして……」
ゴシゴシと顔をこすっていると目の前に影が出来、その手を握られた
目の前には樹が微笑みながらしゃがんでいて、目線を合わせて口を開く
「ねえシロちゃん。俺はシロちゃんのことが好きなのね。会えたのはついさっきだけど、俺はシロちゃんは素敵な人だって分かるのね
好き、とか愛、とかシロちゃんにとっては無駄なのかもしれないけど俺はその無駄もいいと思うのね。
だってその気持ちを知っていないと友達もできないのね。ほらシロちゃん言ってたのね。可愛いものが好きって
愛はシロちゃんが気づいてないだけで元からあるのね」
シュポーっと鼻息を出して笑った
愛は元から持っている
そう、私は、Aは可愛いものが好き。美味しいご飯も好き、お手伝いも好きだし何より
青学の皆が大好き
あぁなんだ。私の好きってこんなにあったんだ
でも大和祐大に対しての好きは？
続く (更新停止中)
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雲雀 - まいさんへ俺は亀更新でも楽しみに待っています。なのでゆっくりでもいいので更新楽しみに待っています。 (2021年9月30日 19時) (
レス) @page29 id: 69d630334c (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - 雲雀さん» コメントありがとうございます！亀更新ですがよろしくお願いします。 (2021年9月27日 12時) (レス) id: ed3b470f19 (このIDを非表示/違反報告)
雲雀 - 面白かったです。これからの更新頑張ってください！楽しみにして待っています。 (2021年9月25日 15時) (レス) @page32 id: 69d630334c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まい | 作成日時：2021年5月3日 14時
