3話 ページ38
｢よっと！｣
｢えぇーまたシロちゃんの勝ちかー！｣
｢凄いなシロ｣
｢にひひ、ありがと｣
あれから佐伯と試合をし、見事勝ったシロは次々と試合を申し込まれていた。流石の彼女も少し疲れたのか、ちょっと休憩、と近くのベンチに座って次の子らの試合を見ている
｢クスクス、凄いねシロちゃん｣
｢凄いねシロ、クスクス｣
目の前に来たのは同じ格好、同じ顔をした2人の男の子だった。髪型からなのかどこか可愛らしさも感じられる
｢淳くんと亮くん。ありがとう｣
｢ほんと凄いや。シロちゃんはテニススクールとか行ってたの？｣
｢教えてもらったの。私の、友人に｣
｢ふーん、友人…ね。でもシロ
本当に？｣
背もたれから顔を出してきた佐伯が言う。その言葉に私は答えることを躊躇ってしまった
私の、ユウジン
大和祐大とは私、Aにとって…
彼は後の重要人物になるであろう存在。だから私が見ていなくてはならない。監視して、危険がないように、変わらないように調整していかなくてはならない
だが、それ抜きでも大和くんは優しい人だ。他の誰かの為になるなら自分を惜しまない人。見てやいるだけで彼は危ういことが分かる。それを見ていてほっとけないというか、ついつい目で追いかけてしまう
だって彼はとっても危なっかしいから
｢顔赤いね。シロは意外とわかりやすいや｣
｢っ…！｣
ホントに？
その理由で彼を見ていたの？
ええそうよ、私は監視者。だから見ていかなくてはならない。だって危ないもの、彼のやり方が。彼の生き方が
不安は少しでも排除しなくてはいけない
そうでしょ？
｢皆ずるーい！！僕もシロちゃんと話したいー！！！｣
｢いいでしょ剣太郎はずっと話してたじゃん｣
｢もしかして嫉妬？クスクス｣
｢そ、そうだよ！だって一目惚れしたんだから！！好きなんだからいいでしょ！｣
｢あははっ、私も剣太郎くんのこと好きだよ｣
｢違うよシロ、クスクス。剣太郎が言ってるのは恋愛の意味で好きなんだ｣
｢剣太郎、恋しちゃったのね｣
｢ひゅーぅ｣
｢でもシロちゃんにはどうやら好きないるみたいだよね｣
恋…恋愛……
言葉は分かる。所謂生きる生命の生存本能、昔にあった名残の子孫繁栄本能だろう。それが私にあるというではないか。おかしい、だって私の仕事、本能はひとつ。世界を守ること。変わりはいない。だってこの本能はごく一部の選ばれた特権だ
だから私に恋などという感情は芽生えないはずなのだ
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雲雀 - まいさんへ俺は亀更新でも楽しみに待っています。なのでゆっくりでもいいので更新楽しみに待っています。 (2021年9月30日 19時) (
レス) @page29 id: 69d630334c (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - 雲雀さん» コメントありがとうございます！亀更新ですがよろしくお願いします。 (2021年9月27日 12時) (レス) id: ed3b470f19 (このIDを非表示/違反報告)
雲雀 - 面白かったです。これからの更新頑張ってください！楽しみにして待っています。 (2021年9月25日 15時) (レス) @page32 id: 69d630334c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まい | 作成日時：2021年5月3日 14時
