2話 ページ37
樹に引っ張られ連れてかれた場所は少し離れた浜辺だった。そこには砂いじりをする子供たちが数人。その1人だった茶髪の子供が駆け寄ってきた
｢あ、サエさん！｣
｢もーサエさん！じゃないよ。どこ行ってたの2人とも｣
｢ごめんなのね｣
｢あ、そうそう！紹介したい人がいてね！！はい、さっきオジイと一緒にいたシロちゃん！！｣
背中を押され前に出たA。葵はニコニコと"サエさん"に紹介している。あれよあれよと流れるまま、サエさんの前に出された。
｢えっとシロです。よろしくねサエ、さん？｣
｢それはあだ名だよ、俺の名前は佐伯虎次郎。まあサエさんでも虎次郎でもなんでもいいよ。よろしくねシロ。｣
そう言い手を出した佐伯の手を握ったA。ようやく終わったとでもいうように葵は声を上げた
｢終わった？終わったよね！そろそろ時間だしテニスやろうよ！！いいよねオジイ！｣
｢いいよお…｣
その声を待ってました！と言わんばかりの笑顔をして葵は急いで散らばったバケツやらスコップを片付け始めた。彼につられ残りの子供たちも片付ける
Aもそれを手伝っていた。最後のバケツを運んでいると何やらジャラジャラ音がしている。覗くと中には小さな貝が沢山入っていた
｢……これは、なに？｣
｢それはアサリなのね。…シロちゃん初めて見た？｣
｢うん。こんな小さい貝があるなんて知らなかった｣
ひとつとって眺めてみる。船で生活していたこともあったのにこんな小さなものが海にいたなんて。世界はとても広いことをまた実感する
｢可愛い…｣
｢シロちゃんは可愛いものが好きなのね｣
｢うん、好きだよ。思わず笑顔になっちゃう｣
笑いあっていると葵から早くと言われてしまった。また歩みを再開する2人
｢そんな急かさなくてもテニスは逃げないよー｣
｢あ、シロちゃんテニス出来るのね？｣
｢ふっふっふ。ちょっとだけ自信があるのね｣
きょとんと目を大きく開け、また笑顔に戻りそれは楽しみだと言った彼はAからバケツを受け取り少し早歩きでしまいに行った
戻ってきた彼の隣にいたのは佐伯だった。手には2本のラケットが握られている
｢シロには特別にオジイお手製のラケット、貸してあげる｣
｢えっいいの？ありがとう｣
受け取ったAは久しぶりのラケットに気分が上がっていた。そんな上機嫌な彼女を見ていた佐伯がその代わり、と声をかけた
｢俺と、勝負してくれない？｣
｢……もちろん！｣
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雲雀 - まいさんへ俺は亀更新でも楽しみに待っています。なのでゆっくりでもいいので更新楽しみに待っています。 (2021年9月30日 19時) (
レス) @page29 id: 69d630334c (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - 雲雀さん» コメントありがとうございます！亀更新ですがよろしくお願いします。 (2021年9月27日 12時) (レス) id: ed3b470f19 (このIDを非表示/違反報告)
雲雀 - 面白かったです。これからの更新頑張ってください！楽しみにして待っています。 (2021年9月25日 15時) (レス) @page32 id: 69d630334c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まい | 作成日時：2021年5月3日 14時
