楽しむためのテニス ページ36
「あれぇ〜剣太郎ぉ」
「もぉーオジイ急にいなくなるんだから……ってわぁ!綺麗な人…この人どうしたの?」
「剣太郎〜、ハンカチ濡らしておいでぇ…」
「え?でも…うぅ、いっちゃーん!!!!」
そう言って"けんたろう"と言われた彼はどこかへ行ってしまった。膝に顔を埋めたAにオジイと呼ばれた人は手を重ね、ゆっくり優しく撫でる
「大丈夫、大丈夫〜…」
「…」
今まで支える側だったA。立場が逆転し、人の温かさとはこのようなものなのかと初めて体験していた
微睡んでいたAの頬を冷たい何かが押す。見上げると先程のけんたろうがいた
「ごめんね、いっちゃんに聞いたらこれしか無かったから…あっでも皆で洗濯したやつだからゴワゴワじゃないよ!」
「…ありがと」
「わぁ綺麗な人は声まで綺麗になるんだ!!」
ニコッと笑ってもっと喋ろうなど言われていると後ろからシュポーっと鼻息をした人が立っていた
「剣太郎〜どうしたのね〜急に走って…誰なのね?」
「あっ、いっちゃん!えっとこの人は……オジイと一緒にいるから悪い人じゃないよ!!」
「オジイと一緒なら大丈夫なのね〜」
蒸気機関車くん(勝手に命名)はどうやらけんたろうを追いかけてきたらしい。腕や足が砂まるけなことから先程まで海辺で遊んでいたのだろう
「あっ僕、葵剣太郎って言うんだ!こっちはいっちゃん!」
「それはあだ名なのね剣太郎。俺は樹希彦、よろしくなのね」
「私は…"シロ"」
違う名前でも良かったはずなのにAはそれを使った。何故だか分からないがそう名乗りたかったのだ
「シロちゃん?名前は人を表すって言うけどまんまだね!すっごく似合ってるよ!!」
「可愛い名前なのね」
「…ありがと。私もこの名前結構気に入ってるの」
ふっと微笑むAに2人は固まっていた。そんな彼らをみてはてなを浮かべる
「シロちゃん笑った方が可愛いのね」
「うんうん!ぱぁってキラキラが出てきた感じ!ってかいっちゃん、サエさん達は?」
「……何も言わずに来ちゃったのね」
「えぇっ!?じゃあ帰らなきゃ!ほらオジイも立って、シロちゃんもおいで!!」
オジイは葵に手を引かれて立たされていた。そんなやり取りをぼんやり見ていたAはいきなり声をかけられ驚く
「カモ〜ン…」
「ほらほら行くのね〜」
「わっ!?」
腕を引っ張られそのまま行くことになる。Aの顔は少しだけ暗さはなくなっていた
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雲雀 - まいさんへ俺は亀更新でも楽しみに待っています。なのでゆっくりでもいいので更新楽しみに待っています。 (2021年9月30日 19時) (レス) @page29 id: 69d630334c (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - 雲雀さん» コメントありがとうございます!亀更新ですがよろしくお願いします。 (2021年9月27日 12時) (レス) id: ed3b470f19 (このIDを非表示/違反報告)
雲雀 - 面白かったです。これからの更新頑張ってください!楽しみにして待っています。 (2021年9月25日 15時) (レス) @page32 id: 69d630334c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まい | 作成日時:2021年5月3日 14時