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弟と魔女とそれから俺 ページ24

仁王side







あれから数日がたった

あの日、あそこから出た瞬間、自分は元いた道路にいた

俺の襟を咥えていたドラゴンなんていないし、自分が身につけていた帽子もステッキも見当たらない

もちろんあの魔女もいない


いや流石に弟はいたけど

いたけど、弟の中にあの魔女はいなかった



「魔女、さん…?まーくん寝ぼけとるんか?」


その言葉を聞いた時、俺の何かが崩れた気がした


本当にあの出来事は夢だったのだろうか
そんな気さえもする


あぁ、結局魔法なんてもの信じる方がおかしかったのかもしれない

でも、何故か、否定ができない。かもしれない、という少しの期待が離れないのだ



「おーい仁王!今日掃除当番!!」

「…わーっとる」

「その返事は分かっとるやつの返事じゃなかよ…」


あぁ、今日もつまらない一日が過ぎていく

机に伏せていた顔を持ち上げた


同じ掃除当番になった奴らは俺の事を待っていたみたいで、すまん、と言うと仁王が謝った!?なんて言われた

失礼な



掃除場所は遠い。俺達の教室は東校舎にあって、掃除場所は何故か西校舎の端っこだ



そろそろ掃除場所が見えてきた

俺は皆よりも遅く来たのもありワンテンポ遅く入っていく



「仁王遅い」

「すまんすまん」


まあ、もう慣れなけ。そんなことを言うクラスメイト

その奥からバタバタと出てきたもう1人の当番が何やら焦っている
何を掃除で焦ることが…



「なぁ!トイレのブラシ、1本足りん!!」

「はぁ?まさかブラシ泥棒…」

「そんなコアなやつおるんか!」

「いや知らん」


トイレ、ブラシ……






"あれ、一応箒を持ってこさせたはずなんだけどな…"

『ってかそれ、うちの学校のブラシじゃき。しかもトイレ用ってのぉ…』


『だーー!!なんでこんな汚いのに跨らないかんのじゃ!大体魔法使いなら普通箒じゃろ!!』

"これしか持って来れなかったし…"

『ポンコツか!お前さんさてはポンコツ魔女じゃな!!』





いた、確かにあの異様な程に真っ白でポンコツな魔女がいた証拠がある


「のぉ仁王、これどうしたら…っては!?なんで泣いとるんじゃ!?そんなにブラシ無くしたことが嬉しかったんか!?」

「…おん、嬉しい」


嬉しい、あいつがあの魔女がいたんだ
夢じゃなかった。ちゃんと、いた

俺はそれが嬉しくて先生が来るまでグズグズと泣いていた


ありがとう、掃除当番が遠くて

俺はそのおかげで希望が持てた

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設定タグ:テニスの王子様 , トリップ , 年齢操作   
作品ジャンル:ファンタジー
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雲雀 - まいさんへ俺は亀更新でも楽しみに待っています。なのでゆっくりでもいいので更新楽しみに待っています。 (2021年9月30日 19時) (レス) @page29 id: 69d630334c (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - 雲雀さん» コメントありがとうございます!亀更新ですがよろしくお願いします。 (2021年9月27日 12時) (レス) id: ed3b470f19 (このIDを非表示/違反報告)
雲雀 - 面白かったです。これからの更新頑張ってください!楽しみにして待っています。 (2021年9月25日 15時) (レス) @page32 id: 69d630334c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まい | 作成日時:2021年5月3日 14時

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