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7話 ページ23

No side






「お疲れ、少年」


いつの間にか仁王の後ろにいたAはニコリと笑っていた。ただブラシを下げているため、何だかおかしく見えてしまう

仁王の腕の中にいるゆーくんはどうやらまた眠ってしまったらしい



「…のぉお前さん」


ん?と首を傾げるA
仁王はゆーくんを抱きしめ、後ろを振り向いた
その目は安心の他に何故か不安の色が見える



「もう、終わったん?これで、ほんとに、終わりよな…?」

「…そう、終わりだよ

君はね」


Aはトンっと地面をブラシで叩いた
すると、そこから亀裂が入っていく

それは徐々に広がっていった
地面に、空に、そして建物に

ガラガラと音を立て、崩れていく

足場が無くなっていくのも時間の問題だった



「っ、魔女さん!」


Aに手を伸ばすが空を掴むだけ
ふわりと体が浮く。襟を掴まれてるのが分かる。いや、咥えられている?

後ろを見ると自分が呼び出したドラゴンだった

自分のご主人とその弟を守るため、運んでいるのだ



「おっ、ようやくお前さん呼びから昇格した」


いやー長かった、と笑うAはその場から動こうとしない



「そんなこと言ってる場合じゃなか!はよこっちに!!」


手を伸ばす仁王だったが彼女との距離はどんどん遠くなるばかりだ



「私はここにいる」

「なんでじゃ!もう終わったんじゃろ!」

「君はね。でも、私は終わってない」


ふわりと風がふく

その風は大きな翼でAを包み込むかのように吹いていた



「君の質問、一つだけ答えてなかったよね」


仁王の言葉を無視して喋り始める

質問というのは反転した世界に入る前、仁王が言ったことだろう


"なんでお前さんはあいつらのこと知っとる!"


何故、それを言うのか
何故、今なのか

突然のことに戸惑いを隠せない



「私がここに来た理由はね、あるものを無くすためなの。それに関係してるからあいつらのことも知ってた

…まあ、だからさ、後片付けをしなくちゃいけなくって。一緒には帰れないなぁ」

「あるものって…」

「ほら!出口だよ。君が帰るべき場所だ」


わざとだ

わざとこいつははぐらかした

仁王はとても悔しかった。あんなことを言ってちゃんとした答えは帰ってこない

1番、嫌な感じ



「結局、何も教えてくれん…」

「それでいいの。君は何も知らなくていい

でも、これだけは知ってて。君の力はいつか、きっと必要になるってことを」


どういうことじゃ

その言葉は届くことは無かった

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設定タグ:テニスの王子様 , トリップ , 年齢操作   
作品ジャンル:ファンタジー
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雲雀 - まいさんへ俺は亀更新でも楽しみに待っています。なのでゆっくりでもいいので更新楽しみに待っています。 (2021年9月30日 19時) (レス) @page29 id: 69d630334c (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - 雲雀さん» コメントありがとうございます!亀更新ですがよろしくお願いします。 (2021年9月27日 12時) (レス) id: ed3b470f19 (このIDを非表示/違反報告)
雲雀 - 面白かったです。これからの更新頑張ってください!楽しみにして待っています。 (2021年9月25日 15時) (レス) @page32 id: 69d630334c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まい | 作成日時:2021年5月3日 14時

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