3話 ページ16
あれから話し合いをした結果、師匠ではなく今まで通りお姉さんと呼ぶことになった
「さて、ランドセルくんや、ランドセルくんや」
「ちょっと待ちんしゃい!」
「おう待つっす」
ガバッと言葉を遮る少年の勢いに押されAも変な返し方をしてしまった
「俺の名前はランドセルくんじゃなか!!
ゆーくんじゃき!!」
目を丸くしたAは少ししてぷっと吹き出してしまった
「な、なんじゃ!文句でもあ…」
「っなんでもないよ。そうかーじゃあこれからゆーくんって呼ぼうかな」
「おん!!」
ランドセルくんもとい、ゆーくんは嬉しそうににぱっと笑った
海を見ると夕焼けに染まっていた。さすがに今から修行というわけにはいかず、ゆーくんを家に返す
最初は凄く嫌そうだったが、Aがまた明日。と言うとみるみると笑顔になり手を振った
「明日!兄ちゃんも連れてくけ!!待っとりんしゃい!」
あの子が言うには、明日は彼の憧れのお兄さんに会えるらしい。そう思うと楽しみが1つ増えた
だが問題はまだ解決していない
「さて、なーんで私の姿が見られちゃったんだ?」
仮説は沢山立つ。1つは過去の世界に人形無しで飛んでいるから、2つ目はこの過去に何者かが干渉した、していた影響
3つ目は彼が後の中心人物、か
だが最後には疑問があるのだ"ゆーくん"なんて人物いただろうか?
大方あだ名だろうが、そんな呼ばれ方してる人なんていなかった
いや、いるにはいるが彼の髪の色は黒に近い緑だ
Aが会ったゆーくんは灰色をしていた
考えても謎は深まるばかりだが、その謎は次の日になればすぐに解けた
「お姉さん!!」
灰色のふわふわした髪を揺らしながら来るゆーくん。後ろの大きな少年が危ないぞ、と手を繋ぐ
「こっち、俺の兄ちゃんじゃ!」
どうやら後ろにいたのはお兄さんだったらしく、ゆーくんは彼を引っ張って前に出した
お兄さんはAと目が合うと少しどもって会釈をする
「俺の兄ちゃんのまーくんじゃ!」
「これ、まーくんは、やめんしゃい。俺は雅治じゃ」
「えーだってまーくんはまーくんじゃ!」
兄弟の言い合いが目の前で繰り広げられてる中、Aは違うところを見ていた
…あぁ、思い出した
逆立った銀髪、狐のように少しつり上がった目。そして口元のほくろ。もうここまで来たらゆーくんが何故見えたのか分かってしまった
君の兄って"仁王雅治"だったのか
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雲雀 - まいさんへ俺は亀更新でも楽しみに待っています。なのでゆっくりでもいいので更新楽しみに待っています。 (2021年9月30日 19時) (レス) @page29 id: 69d630334c (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - 雲雀さん» コメントありがとうございます!亀更新ですがよろしくお願いします。 (2021年9月27日 12時) (レス) id: ed3b470f19 (このIDを非表示/違反報告)
雲雀 - 面白かったです。これからの更新頑張ってください!楽しみにして待っています。 (2021年9月25日 15時) (レス) @page32 id: 69d630334c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まい | 作成日時:2021年5月3日 14時