7話 ページ11
初めて見せた彼の涙は静かでとても綺麗な色をしていた
Aはそれを見るとしゃがんで樺地を抱きしめた
｢ねえ、宗弘くん。別れは悲しいものなのは分かる、だけとそれに固執してはいけないよ。
別れてしまったことより、出会いによって、君たちがどれだけ成長できたか、多くの発見があればそれは最高の出会い、そう思わない？｣
｢…はい｣
返事をすると樺地も抱き締め返した…その時、ドンッと後ろから衝撃が来た
｢っ、2人ともずるい！！｣
衝撃の正体は跡部だった。どうやら2人だけの世界に入っていったのが嫌だったのだろう
多分ヤキモチというやつだ
｢あははっ、ごめんごめん｣
｢ねえ、本当に行っちゃうの？｣
不安そうに見る跡部の目には少しだけ目がうるうるとしている
その目にはどこか期待のようなものも見えたが、それにはこたえられない
｢うん、行かなくちゃ｣
そう言い抱きしめるのを辞めた
行き場のない手は空を掴み2人との間にぽっかり穴が空いたようにも見えた
｢あ、あの…また、会えますか？｣
｢もちろん。そうだなー2人が今よりもっと強くなったら会いに行くかもねー｣
へらりと笑ったAを見てまた会える、ということが分かり顔はみるみると笑顔になっていった
｢じゃあ俺、もっと、もっと強くなるから！絶対会いに来てよ！！｣
｢ははっ、キングの仰せのままに｣
そう言い手の甲に唇を掠めた
こういうのは初めてだったのか頬はみるみると赤く染まっていく
｢大きくなれ、少年たち！｣
そうわしゃわしゃと撫でると次第に感覚がなくなってきた。ハッとなりAを見ると先程より透けていた
｢っ、お姉さん！｣
｢はーいお姉さんですよー｣
｢次会うときは、お姉さんの名前教えてね！！｣
｢もちろんですとも｣
そう言うとサラリと消えた
まるで最初からそこに誰もいなかったかのように。風が砂をさらりと撫でるように一瞬だった
｢なあ樺地、俺たちもっと強くなって早くお姉さんと会えるといいな｣
｢きっと、会えます｣
ゴシゴシと目を擦ると樺地の方を振り向きニカッと笑った。永遠の別れではない。いつか必ず帰るから
｢よーし！今から特訓だ！樺地行くぞ！｣
｢ウス！｣
小さな王様と従者の冒険が始まった
きっと辛いこともある。だが、それをバネにし、ブキにして自分という鎧を作って戦場へ出ていくのだ
きっと、たくさんの仲間が未来で待っているから
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雲雀 - まいさんへ俺は亀更新でも楽しみに待っています。なのでゆっくりでもいいので更新楽しみに待っています。 (2021年9月30日 19時) (
レス) @page29 id: 69d630334c (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - 雲雀さん» コメントありがとうございます！亀更新ですがよろしくお願いします。 (2021年9月27日 12時) (レス) id: ed3b470f19 (このIDを非表示/違反報告)
雲雀 - 面白かったです。これからの更新頑張ってください！楽しみにして待っています。 (2021年9月25日 15時) (レス) @page32 id: 69d630334c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まい | 作成日時：2021年5月3日 14時
