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「お前もしかして惚れたん」
「はっ！？誰に」
「顔に出てるよ」
いや返答になってねーから
まあでも、叶の言う通りっていうか、惚れたと言うよりは惚れてたというか、
「多分、高校の同級生なんだよあの巫女」
「あ、例の？」
「そっすね」
俺がずっと好きで、ずっと好きだったのに想いも伝えず卒業して離れ離れになった人
理由もなく伝えられなかったんじゃなくてあいつに彼氏ができたから
「また好きになっちゃったんだ」
今度はお
ニヤつきを隠せないような声で発せられたそれを無視する
まさかAが上京して来てるなんて知らないし巫女やってるなんてことも知らない
嫁いだ、のか？
いやいやと無意識に頭を振ってその考えを否定する
今はバイトでも巫女はできるんだから、
「ほら、空いたよ？」
100円玉を2枚入れ一番最初に触ったものをひく
"大吉"
恋愛運 積極的な行動が幸をなす
「話しかける？」
「いや、いい。」
変に話しかけて俺がにじさんじ所属のVTuber 葛葉であるとバレたら大変だ
隣で一緒に御籤を読んでいた叶が背中を押してきた
お御籤のすぐ隣にある社務所、5歩も歩けば直ぐに着く
雪もやみ始め、太陽が出てきて人が落ち着き、床に座って休んでいる巫女さんに声をかける
「あの、A、さん、、です、、か」
いざ1人で話しかけるとなるとどうも弱弱しくなってしまう
魔族の貴族だなんて本当なのかと疑われるほどに
今俺の髪色は白いし、目は赤いし、学生時代とは全然違うけど、お願いだから気づいてほしい
「あ、やっぱり葛葉くん？」
自分の名前を呼ぶ声を聞いた時、あれだけ頑張って奥底にしまい込んだ恋心がまた表に顔を出した
人間の女に惚れてしまったこの心はどうにも変えられないらしい
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作者名：めろんぱん | 作成日時：2021年12月14日 23時
