紅一点ですが優しくされる気配がありません 2

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「.......っっぁぁぁぁああ！！！なんで出来ないの！？！？」




傍にあったペットボトルを床に向かって投げつけてハッとする。






うーわ、やばいやつじゃん私。




思っていた以上に余裕をなくしていた自分に気づき、投げつけられて凹んでしまったペットボトルを自分と重ね合わせてみる。






(.......練習まであと2時間か.......。)





多分、みんなとの差は昨日と変わらないだろう。

何も進歩せずに、また始まる。







疲労と焦りでぐちゃぐちゃになった顔が鏡に映る。



「.......ぶっす.......。」






世の人達はこういう時どうしてるのかな。

私なんにも知らない。




そりゃそうだ。この業界に入ってから、まともな友人関係なんてほとんど作っていない。

考えてみると、気軽に相談できる相手だって居ないじゃないか。




誰も教えてくれないんだ、悩みから救われる方法なんて。

自分で見つけるしかない。





「.......あ、ハリムオンニ.....。」





ふと、デビューしたての頃、よく一緒にいてくれたスタッフオンニの名前を思い出した。


(今もいるかなぁ.......。)





昔はよく私の相談相手になってくれたよな.....。






ハリムオンニだったら、全部話せるかもしれない。









タオルで汗を拭いて、できるだけ私が練習していた痕跡を消して、レッスン室をあとにした。

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