【WT】硝子の靴は捨てた (ページ6)

今日:17 hit、昨日:56 hit、合計:15,034 hit

単細胞ページ6

･

大規模侵攻で両親が近界民(ネイバー)によって殺された。丁度、私が桐絵と一緒に東南地区で戦っている時にだ。その未来は大規模侵攻が起こる2日前に視えていた。

私のサイドエフェクトじゃ確定した未来しか視れない。迅くんなら両親が殺されない未来が視えたかもしれない。だけど、私は両親が殺される未来を選んだ。

両親を救うよりも多くの人間を救うほうがあの人たち(両親)にとって喜んでもらえると思ったから。

大規模侵攻が終わって数日後にボーダーの基地が建てられた。まだまだボーダーには戦闘隊員の数や支援金も少なく、県外でスカウトに行くやスポンサーを増やすなど日々大変だった。私はまだ中学に上がったばっかというのとサイドエフェクトもあってか、迅くんと防衛任務を任された。私と迅くんの予知で大抵は何時何処で門(ゲート)開くのが分かったので少ない人数でも倒せれる。ついでに新しく入隊した人の指導も出来て一石二鳥というやつだ。

私の家は大規模侵攻で瓦礫となり、玉狛で住むことになった。玉狛に住み始めたから気付いたことだが、昔と違って玉狛は静かな場所へなっていた。

▼▽▼

「A。さっきのあれどうやった」

防衛任務中、私の周りをウロチョロする太刀川さん。つい最近ボーダーに入った人だ。つい最近入った割にはとても強くて即戦力になる。あと一年も経てばこの人はもっと強くなるだろう。なんてことを考えていると次の門(ゲート)が開く。

「……今から出るトリオン兵全部倒したら教えます」

そう言うと太刀川さんは「おっ、言ったな？」と嬉々として門(ゲート)から出てくるトリオン兵に向かう。若干危ない場面はありつつも太刀川さんは全てのトリオン兵を倒した。

「Aー約束通りさっきの教えてくれ」

笑った顔で太刀川さんはトリオン兵の残骸の上に立つ。そんな太刀川さんの姿に私は単細胞って思ったのは内緒だ。