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1部隊だった遠征が数部隊へ増えた。しかも今回の遠征から太刀川、風間、冬島と蓮月の過保護組がいる。蓮月を攻撃手(アタッカー)から狙撃手(スナイパー)へと変えて負担を減らそうとするも遠征慣れしている蓮月には関係ない。何なら今回もあっさりと人を殺す。

蓮月が人を殺した瞬間、太刀川と風間、そして出水がその場にいた。躇いもなく人を殺す蓮月を見て太刀川と風間はこれは重症だなと思いながらも、二人は蓮月に人を殺すな、と叱責していると出水がその場で吐瀉する。直ぐに太刀川たちが出水を連れて遠征邸に戻った。


「……あっ、そっか。人が死ぬ瞬間見たら気持ち悪くなるか」


戻ってからポツリと。蓮月は思い出したかのように呟く。蓮月は出水が吐いた理由が今の今まで理解していなかったらしい。太刀川はパチパチと目を開かせ、風間は大きな溜息を吐いて頭を抱えたのだ。



▼▽▼



本部へ帰還している遠征邸内では蓮月は単語帳て勉強していた。その隣に座っていた太刀川は他人事のように言う。


「受験生って大変だな」
「太刀川さんも受験生でしょ」
「俺は推薦っていう魔法がある」
「……」


太刀川の言葉に蓮月は呆れてものも言えない。戦闘に全てを注がれた男はある意味怖いもの知らずなんだろう。はぁ、と小さく息を吐いて蓮月は視界の端に映る出水に目を向ける。遠征邸の後部座席で一人。窓に目を向けていた。宇宙空間みたいなもんだから窓の外を眺めたって真っ暗な景色で変わりはしないってのに。


「出水が気になるか?」


太刀川は問いかけた。千里眼(サイドエフェクト)で見ていた筈だから分からないと思っていたのが。ペラリと単語帳を捲って蓮月は答えた。


「気になるってより申し訳ない気持ちある」
「何が申し訳ないんだ?」
「精神的ダメージ負わせたこと」
「あぁ、お前が出水の前で人殺したやつね。別に気にする事ないだろ。遠征に行く時点でそれぐらいの覚悟は持たなきゃいけねぇし。それに、今回はAが殺っただけでいつかは出水が殺らなきゃいけない時もあんだろ」


長い沈黙が続く。


「それでも申し訳ないや。出水くんは彼の憧れの射手(・・・・・・・)だもん」


大切にしなきゃと蓮月は聖母マリアかの様に笑みを浮かべていた。太刀川は目を細めながら「ふぅーん」と相槌を打つ。

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設定タグ:ワールドトリガー   
作品ジャンル:アニメ
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ミー(プロフ) - 面白かったです!更新楽しみにしてます! (2022年12月17日 22時) (レス) @page33 id: a2f01b8bd9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミワ | 作成日時:2022年10月24日 22時

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