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死ぬ時は地獄だ ページ19








遠征邸から降りると珍しくも雨が降っていた。荒廃した都市にはピッタリの天気ってわけだ。事前の情報では此処での戦争は2週間前に敵国が撤退して終戦している。この地でトリガーかデータの取れそうなトリオン兵でも確保出来たら今日は良い方だろう。


「……酷い有様だな」


井口さんは顔を歪ませて転がる死体を見る。今にも崩れ落ちそうな建物内に入ると、至る所に死体が転がっていた。軍人、傭兵、そして一般人の死体がある。藍原先輩と佐竹くんには遠征艇に待機させ、私と井口さんでトリガーの回収に入ってた。


「お前はいつも遠征でこんなのを見てるのか?」
「はい。けど、今回はマシですよ。酷い時は脳味噌(ここ)臓器(ここ)がそこらじゅうに撒かれて匂いが凄いんで」


壁際に座り込んでいる兵士の死体を探ると硬い物があった。取り出すとそれはトリガーで、私はウェストポーチに仕舞う。


「井口さん死体(これ)には気持ち悪くないんですか?」
「……正直な所今にも吐きそうだが、蓮月一人に任せるのは悪い」
「はは。別に気にしなくていいのに」


立ち上がって私たちは通路を歩いていくと、子どもを庇う大人の死体があった。子どもから大人を引き離すと腹部は引き裂かれ骨が露出している。その死体に耐えられなくなったのか、井口さんはその場で吐瀉物を吐き出した。惨い殺し方、なんて呑気に考えながら私はまた死体に手を伸ばす。死体にはトリガーは無く、代わりにロケットペンダントがあった。中には楽しそうに笑っている親子写真。


「可哀想に」


せめてもの救いとして、私は二人の死体を並べてから目蓋をそっと閉じた。


▼▽▼


遠征4日目。
あれから見つかったトリガーは2つだけ。待機しているのも飽きたと言う藍原先輩と佐竹くんも連れて行くと案の定吐いてた。けど何とか耐えてトリガーの回収を手伝ってくれた。


「藍原先輩ありましたか?」
「ない。なぁ、もう戻ろうぜ」
「まだ時間ありますから戻りませんよ」


トリガーを探しているとインカムからオペレーターの声がした。


『こちら___。___ざ___こう___』


通信が悪いのか。何を言っているのか分からない。藍原先輩と二人で首を傾げていると爆発音が聞こえた。音の方は遠征艇がある所。何かあったと私たちは急いで遠征艇まで走っていくと燃え上がっていた遠征艇に藍原先輩は絶句した。


「おいおいマジかよ」

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設定タグ:ワールドトリガー   
作品ジャンル:アニメ
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ミー(プロフ) - 面白かったです!更新楽しみにしてます! (2022年12月17日 22時) (レス) @page33 id: a2f01b8bd9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミワ | 作成日時:2022年10月24日 22時

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