天才、困惑する。 ページ38
どうしよう。
ああ困った。
非常に困った。
『Aっ…違う、俺はお前を傷付けるつもりは無くて…。』
『分かってますよ。』
『個人的な事情だ、話せないのも仕方が無い。でも、俺は…俺はっ………。』
電話口に聞こえたウジさんの怒りは最もだ。
怒るのも分かる。
しかし今電話の先でこんなに戸惑った様な、悲しそうな声を出されるとは誰も思わないだろう。
『ジフン、落ち着け。』
『ヒョン、でも俺は、本当にそういうつもりじゃ無かったんです。』
焦ったような声が聞こえて来るから、あの…と小声で声を掛けた時
うーたんがまた辛そうな声で俺に言ってきた。
『俺は、お前のそういう事情も話して欲しかった。』
『…えっ。』
『グループとか、アーティストとしてとか抜きに、俺はお前の事をそれなりに信頼してたし、されてると思ってた。
色々と話せる友達みたいなやつだと思ってたから。
でもAの中では俺もまだ事情を話せない奴なのかと思うと、ついカッとなっちまった。』
傷付けるつもりは本当に、全くなかったんだ。
そう言う、ウジさんの声は本当に悲しげで、申し訳なさに溢れてて。
『ウジさ』
『ごめんな、A。ちょっとジフナとゆっくり話したいから一旦切るな？』
『あ、スンチョルさん、はい。』
話しかけようとしたら遮られ電話が切れる音を聞き届ける。
その後すぐに俺は目の前の机に突っ伏してうがァ！と嘆いてしまうしかできなかった。
何故か？
「うーたんごめんなぁぁぁ！！！」
推しグループのメンバーを傷付けてしまった罪悪感と誰に向けてかを言えてないモヤモヤのせいだ。
あんな怒られると思ってなかったから、思わず言えませんなんて言ったけれど。
ヒヨッた俺が言えなかっただけで、本当は大したことない。
「社長〜！！！」
「急に電話掛かってきたと思ったらA君か、切ろうかな。」
「出といてその言い草は何なんだ。」
「で？要件は？」
「��innocent��の件でうーたんに怒られました。」
「だろうね。」
通話の事情を話すとゲラゲラと笑い出す社長。
本当に腹が立つしこいつ性格悪いな？とも思うが俺は大人だ、こんなことでは怒らない。
「さっさと言えばいいのに！」
「言える雰囲気じゃねぇ！」
すると本当に楽しそうに社長は、俺がウジさんに言おうと思って言えなかったソイツの名前を言ってのけた。
「うーたん驚くだろうな！まさか、お婆ちゃん家の猫に向けてなんて。」
「言うなよ！！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1357人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
れ - formじゃなくてfromだと思います (2022年10月13日 20時) (
レス) @page6 id: 0753043932 (このIDを非表示/違反報告)
恋＠眼鏡(プロフ) - めろ汰さん» ありがとうございます^^ GeNocくんのお話は一旦終わりですが、いつかまた別のところでお会いできたら嬉しいです！感想ありがとうございました！ (2021年2月23日 15時) (レス) id: a273382bf7 (このIDを非表示/違反報告)
めろ汰 - ううう。。秒で読んじゃいました。。はおてゃん可愛いの分かりみ強すぎます…！！GeNocくんかっこよすぎてペンになっちゃいそうです…！！連載お疲れ様でした！！((今更感すいません！ (2021年2月16日 13時) (レス) id: 08c80e6053 (このIDを非表示/違反報告)
恋＠眼鏡(プロフ) - うすすさん» ありがとうございます〜！私も正直続編に繋ごうか迷いましたが、今後の活躍は皆様の心の中で生きて欲しいなと思い、完結させました！こちらこそ作品を長い間ご覧頂きありがとうございました！またどこかでお会い出来れば幸いです＾＾ (2020年9月3日 10時) (レス) id: a273382bf7 (このIDを非表示/違反報告)
うすす(プロフ) - 完結おめでとうございます！少し名残惜しいですが完結嬉しく思います。矛盾してる。素晴らしい作品をありがとうございました！ (2020年8月14日 17時) (レス) id: b192477b3c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：恋＠眼鏡 | 作者ホームページ：http://sukinaharahasakuradeui
作成日時：2019年6月23日 14時
