【SVT】職業、天才。【男主】

天才、チャートを埋める。 ページ29

2ndシングルを出したその翌週にはミニアルバムを発表するという驚異的スピードを見せた俺の楽曲(作品)。

これも全部、社長が仕組んだことなので俺は一切関与していない。

もう一度言おう。

俺(GeNoc)は一切、関与していない。

たしかにミニアルバム用の楽曲も渡していたし、撮影も終えていたしジャケ写も出来ていたけど

それはあくまでも、次の仕事を楽にするための勉強でいう予習みたいなもので。

俺なりの次への貯金だったのに。


「こんな早く出すか普通…？」

「その方がインパクト残るでしょ？」


特典も1stアルバムに比べたら少ないから、シングルもミニアルバムも手を出しやすい値段設定ではある。

それに、俺の中でのストーリー的にもシングルとミニアルバムはセットなのだ。


「にしても面白い発想だよね相変わらず。」


顎に手を添えてニマニマとするから思わず


「…何がですか？」


そう聞き返す。

すると、


「シングルがメインストーリーでしょ、今回のテーマ。」


見事社長は、俺の思い描いていたものを言い当てた。

更に驚いたのはミニアルバムが対になっていること、

次のシングルはこのミニアルバムの方をメインにした、アナザーストーリーをテーマに書こうとしている事を

ズバと言い当てたのだ。


「社長、もうそこまで見抜いてんの俺の脳内覗かれてる気がしてマジで怖い。」

「だって僕らは一心同体だからね。」

「社長が言うと気持ち悪いな。」

「心外だ。」


そんないつも通りのやり取りをしながらまた数日が経った頃だった。

某ミュージック番組にて、今週のオリコン速報とミュージックダウンロード順位が発表された。

作業に取り組みつつ鼻歌を歌いながら心地よい雑音の一つとして番組を見ていた俺。


「今週のオリコン、ダウンロード数共にTOP3を占めたのはGeNoc！」

「ブフッ！！」


ゲホゲホと思わず噎せ、飲んでた水を吹き出してしまう。

えっ、まじかよ…？と思いながらテレビ画面に視線を向けるとそこには確かに上から順に2ndシングル、ミニアルバム、1stアルバムが並んでいた。

その二つ下ほどには1stシングルもある。


「いや…えぇ……まじか…。」


何の記念か知らないがそこには俺のMVが流されており、

某音楽番組に出演している有名なアーティストさん方がワイプに抜かれて俺のMVを見てる姿を放送される。

やめろ〜見ないでくれ〜。

そんな風には思わず顔を覆った。

恥ずかしすぎる。

どんな拷問だよこれ…。

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