【SVT】職業、天才。【男主】

天才、配信で伝える。 ページ28

2ndシングルが発売されたその日の夜に俺は生配信を行った。

例の13通の手紙を傍において。


「皆さんこんばんわ、GeNocです！新曲の感想はいかがでしたか？…良かったですか？ありがとうございます！
前回と印象全然違うけど、どっちも好き！…わー！ありがとうございます！

俺的には前回のアルバムとは真逆の、青春を彩る可愛さと切なさを詰め込んだ楽曲にしたつもりなんですよ〜！」


新曲の感想を共有し、幾分か話も進んだ頃を見計らって画面を映像にし俺のいつもの作業部屋が映し出される。

その瞬間荒れるコメント欄を苦笑いで見つつ、今日は！自慢したいことがあるんです！と手を叩く。

見た目はイケメンなのに仕草が少年とか、仕草可愛いｗなんてコメントに、俺は可愛くない！と笑いながら返しつつ手紙を取り出す。

勿論、住所や宛名などはバレたら困るので別の封筒に全て移し替えている。

これ自慢していいのかなー？なんて小声でいいながらもカメラに手紙を映す。


「じゃじゃーん！俺のめちゃめちゃ尊敬している先輩方と友人達から応援のお手紙を貰いました！」


13通の手紙から顔をひょこっとだし、にへにへと笑う。

誰から？とコメントが沢山来るけれど、あまり明かしてもあれかと思った俺は濁して伝えた。


「外国の友達ですよー！」


事務所じゃない俺の本当の住所に届いてたらしいから誰からとか見せられないんだよーと、あながち間違いではないことを伝える。

へへへと笑いながら手紙を持ったままずっとニコニコするのもアレだと思い、

皆さんからのファンレター等も事務所に届いてるやつは全部目を通してますよー！と伝える。

全部ファイリングしてるしプレゼントも何気私物として全て使っている。

今日着ているスウェットやパーカー、Tシャツも全部ファンがくれた物だ。

あんまり高い物は…と思いつつその心が嬉しくて着ている。


「ファンレターもプレゼントも嬉しいけど、手作りのものは受け取れません。ごめんね。」


えー、とコメントが来るから説明をする。


「事務所的に手作りのものは受け取れないんだ〜ごめんね。折角作ってくれたのに材料を無駄にしちゃうのは俺が嫌だから、お願いします。

俺よりも振る舞うのに相応しい人が君たちの周りにはきっと居るはずだからさ！」


そう言った後、うわー！らしくない事言った！！と腕をさすさすしながら笑う。

そんなGeNocだから食べて欲しい、なんてコメントを見掛ける。

俺はごめんねしか言えなかった。

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