天才、編曲する。 ページ17
俺がまだ中学生になるからならないか位の時だった。
とある動画サイトで見かけた一つの動画がきっかけでギターに触れた。
初めの頃は弦で指も切ったし手が届かなくて辞めようとか、思ったように弾けなくてイライラした事は今となってはいい思い出だ。
「GeNocさんの、原点ですか?」
「はい。ギターを始めた時に最初に買ったのがコイツです。コイツが居なかったら今頃俺はGeNocとしてここに立てていないでしょう。」
そう言って笑い、次々と部屋のものを紹介したり作曲作業に取り掛かったりする。
編集作業中、俺は一つのとある曲のリミックスファイルを見つけた。
そっと微笑んだ俺はカメラマンさんにあの、と話しかける。
「これ、せっかくなんで聞いてみます?」
「えっ!良いんですか!?公開前の音源ですよね!?」
「公開前って言いますか…リミックスなので許可を頂いてからサイトに投稿する様のやつなんです。」
「そうなんですか。じゃあ使う際には伏せ音入れておきますね。」
「お願いします。」
クスクス笑うカメラマンさんと俺。
そしてファイルをクリックする。
最初に流れ出すのは原曲のイントロで、ギター特有のギャリギャリとした癖になる音。
『CLAP!』
原曲の掛け声がかかると同時に、トーンが上がりながら高速で巻き戻される。
そして再び始まろうとした時にシンセベースが響き俺のアレンジした楽曲が始まる。
もちろん、音声ソフトの声で。
「これは…韓国語ですか?」
「はい。何かでこの曲を耳にした時これを作った人は天才だと思ったんです。そして俺ならこうしたい!ってなって…。気が付いたら欲望のままコレを作ってました。」
あはは、と笑う俺と顔を輝かせるカメラマンさん。
そして音声ファイルの再生時間が終わった所で曲は終わる。
「____こんなもんですかね。どうでした?」
椅子をギィッと鳴らしながら顔を覗きこむと真剣な顔をしているカメラマンさん。
「僕は作曲はよく分からないし、原曲も知らないですけれどGeNocさんが原曲を敬愛しつつもGeNocとしての色を主張している、素晴らしいものだったと思います。」
ニコリと微笑んでくれたあとカメラを持ってるので拍手できないのが悲しいです。と笑うので俺も気持ちだけで充分ですと笑う。
そのまま撮影は進んでいき、あっという間にクランクアップ。
ありがとうございました〜と声をかけあい撮影は終えた。
ほぼノーカットで使用されていたことを知るのは、後の話。
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れ - formじゃなくてfromだと思います (2022年10月13日 20時) (レス) @page6 id: 0753043932 (このIDを非表示/違反報告)
恋@眼鏡(プロフ) - めろ汰さん» ありがとうございます^^ GeNocくんのお話は一旦終わりですが、いつかまた別のところでお会いできたら嬉しいです!感想ありがとうございました! (2021年2月23日 15時) (レス) id: a273382bf7 (このIDを非表示/違反報告)
めろ汰 - ううう。。秒で読んじゃいました。。はおてゃん可愛いの分かりみ強すぎます…!!GeNocくんかっこよすぎてペンになっちゃいそうです…!!連載お疲れ様でした!!((今更感すいません! (2021年2月16日 13時) (レス) id: 08c80e6053 (このIDを非表示/違反報告)
恋@眼鏡(プロフ) - うすすさん» ありがとうございます〜!私も正直続編に繋ごうか迷いましたが、今後の活躍は皆様の心の中で生きて欲しいなと思い、完結させました!こちらこそ作品を長い間ご覧頂きありがとうございました!またどこかでお会い出来れば幸いです^^ (2020年9月3日 10時) (レス) id: a273382bf7 (このIDを非表示/違反報告)
うすす(プロフ) - 完結おめでとうございます!少し名残惜しいですが完結嬉しく思います。矛盾してる。素晴らしい作品をありがとうございました! (2020年8月14日 17時) (レス) id: b192477b3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:恋@眼鏡 | 作者ホームページ:http://sukinaharahasakuradeui
作成日時:2019年6月23日 14時