【SVT】職業、天才。【男主】

天才、現る。 ページ1

一つの音声ソフトと目が合った。

何を思ったかその日の俺は手に取ると同時にレジに持っていき即購入をしたのだ。

理由はなんとなくパッケージの女の子が可愛かったから、それだけ。

まさかその出会いが俺を変えるとは思ってもいなかったんだ。


「えっ、なんか通知すげぇ…はぁ！？百万再生！？」


がたっ、とパソコンが乗った机を叩けばガシャガシャと音を立てる電子機器。

驚きと喜びが入り交じった俺はそのまま二曲目の製作に取り掛かり投稿。

そんな流れで三曲目を投稿したあたりでナンタラって事務所から連絡が来たが無視をした。

三曲の広告料で得たお金を使って四曲目のMVを撮影する。

業者は俺が頼んだ。

今回の為にもダンススクールにも通ったし、イメージも固めた。

ビジュアルはまぁ…音楽が良くて雰囲気で誤魔化せたら何とかなるだろう。

その甲斐あってか今までで一番の反響を得る。

俺はネットのまとめサイトにこうまとめられていた。


《新規精鋭ネットクリエイターGeNoc！職業、天才。》

「おいおい辞めてくれよ…。」


四曲目の投稿には三曲目からは一年半経っているから確かに傑作だと言えるし、それ相応の反響も貰ったが

ここまで大それたことを言われる程のものでもない。

そんなある日、メジャーデビューしないかと声がかかった。

今まで通り気まぐれで、事務所加入とかは蹴ったりしてた俺だけど何故だかこの時はOKをしたんだ。

そして向こうもOKされるとは思ってなかったのか俺が入るという意思表明をした途端｢へっ？｣と変な声を出していた。


「えぇ！？あの、加入して頂く意思は大変有難いのですが、本当にうちみたいな無名弱小事務所でいいんですか！？」

「今からでも契約破棄していいならするけど。」

「嫌です！！！」


くすくす笑いながら、宜しくなと言うと向こうも、よろしくお願いします！と勢いよく手を握って来るものだから苦笑いを零してしまう。

そうして俺の公式Twitterからデビュー予告のようなPVを公開するための通知として、日付と時間のみ書いた投稿をする。

そしてそのまま、約束通りの日付時間に予告動画のためのURLを貼り付けたツイートを投稿すると5万いいねを記録。

曲名は《KiNgDom》

まだ公開されていないからサビのみだが、そのシーンだけで反響を呼んだ。


《GeNocの新曲めっちゃクセになる。》

《顔良しスタイル良しで作詞作曲も出来るって何者》


そうして世界中を巻き込んだ大々的なプロモーションは成功した。

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