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「……でも、そこまでフリューゲルを避けてるのも不自然というか……もしかして、誰か他に好きな子でもいるの?」
「ふふ、どうだろうね〜」
……ここではぐらかされると、めちゃくちゃ気になる。
もう少しだけ問い詰めてみるか。
「じゃあ、その子の特徴だけでも教えてよ。
いなかったら、好きなタイプとかでいいから」
「あはは、今日はやけにグイグイくるね〜……
そんなに気になる?」
その言葉に頷くと、彼は少し悩むような素振りを見せてから口を開いた。
「そうだなぁ……強いて言うなら、手が綺麗な子かなぁ」
「手かぁ……確かに綺麗な子って女子力も高そう。
けど、なんで手限定?」
「僕の場合、ベルの中まで手つっこまれるからね〜。手が汚い子は生理的に無理だなぁ。
……まぁ、人間は元々汚れてるからどっちもどっちだけど」
「そ、そっか……」
最後のセリフに思わず縮み上がってしまい、愛想笑いで誤魔化した。……ホルンさん、また素が出てるよ……
「僕ばっかり話してるけど、Aちゃんはどうなの?」
「えっ、私? ……うーん、特にはな……」
「あはは、Aちゃん……まさか、僕だけに話させて自分のことは話さないつもりじゃないよね?
……僕、待たされるのって好きじゃないんだよねぇ」
「す、すみません、今すぐ考えます……
うーん……強いて言うなら、今の生活を1ミリも変えなくていい人、かな。後はベタだけど、やっぱり優しい人?」
「……! 嫌だなぁ、Aちゃんってば……ふふふ」
そう言うと、何故かホルンさんの機嫌が良くなった。……なんというか、いきなりすぎて不気味ですらある。
「……だってその特徴、完全に僕なんだもん」
「……は? いや、確かに今の生活を変えなくていいっていうのはそうだけど……優しい人、って言ったよね?」
「あはは、失礼だなぁ。
……Aちゃんは、僕が優しくないって言いたいの?」
「ひっ……いえ、優しいです……」
……かつてないほどの威圧感に負け、優しいと言わざるを得なかった。
「う〜ん……けど、Aちゃんはないなぁ」
「えぇっ、あれだけ言っておいてひどくない!?」
「あはは、だってAちゃんは人間だし……僕、人間とはちょっと無理だなぁ。
……勝手だし、それに……すぐ、死んじゃうし」
「えっ、今なんて……?」
「……ふふ、なんでもないよ。
せっかくだから、もう少しだけお話しよっか」
オススメの楽器さん
バスクラリネット
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もも - べるーがさん» なんか泣ける… (4月19日 0時) (レス) @page44 id: 8826ef9895 (このIDを非表示/違反報告)
べるーが(プロフ) - ももさん» すみませんお待たせしました!! いつも以上に作者の趣味全開で書いてしまって本当に申し訳ないんですが、よければお納めください……🙇🏻♀️ (4月17日 1時) (レス) id: a87c674b3c (このIDを非表示/違反報告)
もも - べるーがさん» そうです!! (4月11日 0時) (レス) id: 2bfbe6c963 (このIDを非表示/違反報告)
べるーが(プロフ) - ももさん» リクエストありがとうございます〜!! 一応確認したいんですけど、弦楽器のコントラバスで合ってますか……?? (4月11日 0時) (レス) id: a87c674b3c (このIDを非表示/違反報告)
もも - べるーがさん» リクエストでコントラバでお願いします!!! (4月9日 15時) (レス) id: 2bfbe6c963 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:べるーが | 作成日時:2023年3月1日 23時