ホルンさんとの日常 ページ6
｢……Aちゃん、助けて！｣
｢うぇ！？ いきなりどうし……｣
｢いいから！ ……上手く誤魔化して｣
そう言って、ホルンさんは私の後ろに隠れてしまった。
……直後、私は彼の言葉の意味を知ることになる。
｢あれ、こっちに行ったと思ったんだけどなぁ……
あっ、Aさん！ コルノさん知りませんか？｣
｢あー……なるほど、このことか……｣
彼の後を追ってきたのは、金管バンドではお馴染みのフリューゲルホルン。トランペットさんよりもまろやかで深い音色が特徴の彼女は、俗に言う“ゆるふわ系”女子だ。
……だが、彼女のホルン……もといコルノさんへの愛は超ヘビー級だ。昔怪我していたところを助けられて以来、ずっとあの調子らしい。
｢見てないけど……何か用事でもあるの？｣
｢いえ、偶然見かけたので話しかけようとしただけなんですけど……逃げられちゃって｣
｢あはは、そっか……じゃあ、見つけたら教えるよ｣
｢本当ですか！？ ありがとうございます、Aさん｣
その言葉に満足したのか、彼女は部屋を出ていった。
……おそらく、当分入ってくることはないだろう。
｢……ホルンさん、もう出てきていいよ｣
｢ありがとう……はぁ、危なかった｣
彼はほっとひと息ついてから、ようやく後ろから出てきた。……その顔はひどく疲れているように見える。
｢あの子、いつもいきなり来るから。びっくりしてつい逃げちゃった……まるでゾンビ映画みたいだったよ｣
｢あはは……そう言えばホルンさんって、なんでフリューゲルを避けるの？｣
｢相変わらず嫌な質問するよねぇ、Aちゃんって。
そうだなぁ……子猫を助けて育ててみたら、本当はグリズリーだったみたいな感じ？｣
……過去最強に分かりやすい例えに、つい感嘆の声が漏れ出た。
｢まぁ、気持ちは分からなくもないけど……フリューゲルって結構可愛いし、悪い気はしないんじゃ……｣
｢ふふ、Aちゃんって冗談ひとつもろくに言えないんだねぇ。……1回だけ聞かなかったことにしてあげるよ｣
どうやら本気で怒らせてしまったようだ。……どす黒いオーラが全身から滲み出ている。
｢ひっ……す、すみませんでした｣
｢ふふ、分かればいいよ。……仏さまは、3回まで許してくれるみたいだけど……僕は1回までだよ｣
柔らかい音色と荒々しい音色を持つホルンさん。基本的に温厚だが……ふとした時に素が出てくる。
……彼だけは、怒らせない方がよさそうだ。
オススメの楽器さん
バスクラリネット
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もも - べるーがさん» なんか泣ける… (4月19日 0時) (
レス) @page44 id: 8826ef9895 (このIDを非表示/違反報告)
べるーが(プロフ) - ももさん» すみませんお待たせしました！！ いつも以上に作者の趣味全開で書いてしまって本当に申し訳ないんですが、よければお納めください……🙇🏻♀️ (4月17日 1時) (レス) id: a87c674b3c (このIDを非表示/違反報告)
もも - べるーがさん» そうです！！ (4月11日 0時) (レス) id: 2bfbe6c963 (このIDを非表示/違反報告)
べるーが(プロフ) - ももさん» リクエストありがとうございます〜！！ 一応確認したいんですけど、弦楽器のコントラバスで合ってますか……？？ (4月11日 0時) (レス) id: a87c674b3c (このIDを非表示/違反報告)
もも - べるーがさん» リクエストでコントラバでお願いします！！！ (4月9日 15時) (レス) id: 2bfbe6c963 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：べるーが | 作成日時：2023年3月1日 23時
