ティンパニさんとの日常 ページ38
｢……ティンパニさん、そんなに見られてるとやりにくいんだけど……どうかした？｣
｢……ん？ 別に何でもないよ。ただ、本当に綺麗な顔してるなって思っただけ｣
｢なっ……！？｣
｢俺らは楽器だから、
｢はぁ……相変わらずだね、ティンパニさん。
嬉しいけど、もう勘弁して……｣
オーケストラで『第2の指揮者』とも評される彼は、音程を操作して和声的な役割を担う一方で、たった一音で曲全体をぶち壊せるほどの破壊力を秘めている。
……そんな彼は、普段からあまり饒舌なタイプではないものの、たまに発するひと言の『破壊力』は凄まじい。
｢……悪い、困らせるつもりはなかったんだ。けど……｣
｢はぁ……今度は何？｣
｢……いや、なんでもない。それよりAさん、また寝てないだろ。目の下、クマができてる｣
｢ああ、最近リペアとか貸し出し依頼とか立て込んでて……そのせいかな。けど、よく分かったね。念入りにコンシーラーで隠したのに｣
｢分かるさ。
……Aさんのことなら、いつも見てるから｣
ティンパニさんはそう言って、優しく目を細める。……相変わらず凄まじい破壊力だ。気を抜いたら一瞬で吹き飛ばされそうなほどの威力がある。
｢……Aさんが俺らを大切にしてくれてるのは分かってる。けどそれ以上に、あんた自身を大切にしてほしい｣
｢……分かってるよ。
｢……すまない、今のは言葉足らずだったな。……そういうつもりで言ったんじゃないんだ｣
脳内で言うべきセリフのプロットを固めるかのように、彼はおもむろに考え込んだ。……二人の間に、気まずい沈黙がなだれ込んでくる。
｢そうだな……好きな人間に『長生きしてほしい』って思うのは、そんなにおかしいことか？｣
｢……！！ ……ちょ、ちょっとタンマ……｣
｢……はは、隠さなくたっていいのに。照れてる顔も可愛いよ、Aさん｣
そう言って優しく微笑んだ。……彼自身に全くの悪意がないだけに、本当にタチが悪い。けど……
｢……っふふ、ありがとう。
ティンパニさんのそういうところ、嫌いじゃないよ｣
……今日はもう少しだけ早めに寝ようかな、なんて考えながら、目の前の彼を真っ直ぐに見据えた。
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もも - べるーがさん» なんか泣ける… (4月19日 0時) (
レス) @page44 id: 8826ef9895 (このIDを非表示/違反報告)
べるーが(プロフ) - ももさん» すみませんお待たせしました！！ いつも以上に作者の趣味全開で書いてしまって本当に申し訳ないんですが、よければお納めください……🙇🏻♀️ (4月17日 1時) (レス) id: a87c674b3c (このIDを非表示/違反報告)
もも - べるーがさん» そうです！！ (4月11日 0時) (レス) id: 2bfbe6c963 (このIDを非表示/違反報告)
べるーが(プロフ) - ももさん» リクエストありがとうございます〜！！ 一応確認したいんですけど、弦楽器のコントラバスで合ってますか……？？ (4月11日 0時) (レス) id: a87c674b3c (このIDを非表示/違反報告)
もも - べるーがさん» リクエストでコントラバでお願いします！！！ (4月9日 15時) (レス) id: 2bfbe6c963 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：べるーが | 作成日時：2023年3月1日 23時
