�� ページ31
｢……っ、気安く触れるな！｣
頭上で鳴り響いた衝撃音に驚いて顔を上げると、どうやらヴァイオリンがフィドルの手を払いのけたようだった。
……兄弟の間にピリついた空気が流れ込んだのは、さすがの私にも理解できた。
｢……分からねぇな。
コイツはお前が毛嫌いしてる『人間』だ。オレとAがどうしてようが、お前には関係ねぇだろ？｣
｢ああ、その通りだ。本来なら、僕の気にするようなことじゃない。だが……そこの人間が貴様を気にかけるのも、貴様が触れるのも……心底不快だ｣
弟のその言葉を聞くと、飄々とした笑みから一転、フィドルはかなり驚いた様子で大きく目を見開いた。
｢…………！
っ、あははっ！ そうか、なるほどな……っくく……｣
｢何を笑っている？ はぁ……相も変わらず読めない男だ｣
｢何言ってんだよ、お前の“お兄ちゃん”だろ？
……さーて、久しぶりにセッションでもするか！｣
フィドルがそう言って弓を構えると、ヴァイオリンはまんざらでもない様子で首を縦に振った。
｢……いいだろう。ただし、今日こそはそのめちゃくちゃな奏法を矯正してもらうぞ。楽譜もきちんと見て……｣
｢っはは、相っ変わらずお堅いねぇ。奏法も楽譜も、オレには必要ねぇよ。それに……お前ならついてこれるだろ？｣
｢なっ……！ おい待て、フィドル！ いきなり演奏を始めるな、せめて出だしくらいきちんと合わせろ！｣
楽譜はなし、奏法もめちゃくちゃ。……そんなフィドルだが、彼にはヴァイオリンとはまた違った魅力がある。
そんな2人の
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
｢……まさか、人間嫌いのアイツがあんなことするなんて思わなかったよ。……お前のおかげだな、A｣
｢そんなこと……あるかな？｣
｢はは、もちろん。アイツが人間に執着するってだけで、すげぇことだよ。……お前と出会ってから、アイツもちょっとずつ変わってんだろうな｣
｢……そうかな。フィドルは？｣
｢オレは言うまでもねぇだろ。
……お前みたいなヤツ、生まれて初めてだよ。ヴァイオリンじゃなくて、オレをこんなふうに扱うヤツなんてさ｣
｢……そう。“優しく”されたくなったらまたおいで、フィドル。いつでも待ってるから｣
……そう告げると、彼は困ったように笑ってから、私の言葉に頷いた。
オススメの楽器さん
バスクラリネット
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もも - べるーがさん» なんか泣ける… (4月19日 0時) (
レス) @page44 id: 8826ef9895 (このIDを非表示/違反報告)
べるーが(プロフ) - ももさん» すみませんお待たせしました！！ いつも以上に作者の趣味全開で書いてしまって本当に申し訳ないんですが、よければお納めください……🙇🏻♀️ (4月17日 1時) (レス) id: a87c674b3c (このIDを非表示/違反報告)
もも - べるーがさん» そうです！！ (4月11日 0時) (レス) id: 2bfbe6c963 (このIDを非表示/違反報告)
べるーが(プロフ) - ももさん» リクエストありがとうございます〜！！ 一応確認したいんですけど、弦楽器のコントラバスで合ってますか……？？ (4月11日 0時) (レス) id: a87c674b3c (このIDを非表示/違反報告)
もも - べるーがさん» リクエストでコントラバでお願いします！！！ (4月9日 15時) (レス) id: 2bfbe6c963 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：べるーが | 作成日時：2023年3月1日 23時
