オーボエさんとソプラノサックスさんの日常 ページ16
「……なんでよりによってこいつと一緒なの? 今日は俺一人、って聞いてたんだけど」
「ごめんね、急遽貸し出し依頼入っちゃって……
本当に申し訳ないんだけど、2人同時に見ることになったから……ちょっとだけ我慢できる?」
「無理」
「あはは、即答……」
世界一難しい木管楽器としてギネスにも登録されているオーボエ。そんな彼は、ヴァイオリンまではいかないもののかなり気難しい性格をしている。
「あはは、今のはただの照れ隠しっすから心配しなくても大丈夫っすよ! ね、オーボエ先輩」
「……お前、相っ変わらず空気読めないよね。
今の、本気で言ってるんだとしたら神経を疑うよ」
「あはは、先輩も相変わらずっすね〜
そんなんだからモテないんじゃないっすか? 先輩顔はいいのに、言葉がいちいちキツいから」
対するソプラノサックスは、流行に敏感なオシャレ女子。明るい性格で誰に対しても分け隔てのない彼女だが、相手の気持ちに鈍感なのがたまにキズだ。
……そして鈍感な彼女は、オーボエから嫌われていることにも未だに気が付いていない。
「は? ……ほんと、俺の神経を逆なでることに関してだけは天才的だよね……Aにメンテしてもらえるって聞いたから来たのに、こいつがいるとか聞いてないんだけど」
「それは本当にごめん、まさかこの時期に依頼が来ると思ってなくて……悪気はないみたいだから、許してあげて。
ソプラノサックスも、もう少し言い方には気を付けて」
「分かったっす!
先輩、せっかくですし何か話します?」
「嫌に決まってるでしょ。……俺はAと話すから、あんたは独り言でも言ってれば?」
「オーボエ、そんな言い方よくないよ。もう2000歳かそこらなんだから、ここは大人の対応でいこう?
えぇと……じゃあ、3人で話そうか」
そう言うと、諦めたように深くため息をついた。
……彼はクールに見えて、意外と喧嘩っ早い。
「えっ、先輩そんな歳いってるんすか!?」
「あはは……オーボエの前身のズルナって楽器ができたのが大体それくらいみたいだよ」
「……みたいだね。生まれたときのことなんて、もう覚えてないけど」
「ズルナ……あぁ、それがかの有名なオーボエ先輩の元ヤン時代っすか?」
……オケでソロを吹きこなす今の姿からは想像もつかないが、昔ズルナとしてトルコの軍楽隊であるメフテルで活躍していたときは、相当暴れ回っていたらしい。
オススメの楽器さん
バスクラリネット
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もも - べるーがさん» なんか泣ける… (4月19日 0時) (レス) @page44 id: 8826ef9895 (このIDを非表示/違反報告)
べるーが(プロフ) - ももさん» すみませんお待たせしました!! いつも以上に作者の趣味全開で書いてしまって本当に申し訳ないんですが、よければお納めください……🙇🏻♀️ (4月17日 1時) (レス) id: a87c674b3c (このIDを非表示/違反報告)
もも - べるーがさん» そうです!! (4月11日 0時) (レス) id: 2bfbe6c963 (このIDを非表示/違反報告)
べるーが(プロフ) - ももさん» リクエストありがとうございます〜!! 一応確認したいんですけど、弦楽器のコントラバスで合ってますか……?? (4月11日 0時) (レス) id: a87c674b3c (このIDを非表示/違反報告)
もも - べるーがさん» リクエストでコントラバでお願いします!!! (4月9日 15時) (レス) id: 2bfbe6c963 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:べるーが | 作成日時:2023年3月1日 23時