【番外編】ユーフォニアム誕生祭 ページ14
「いくよ、みんな。……せーの!」
『お誕生日おめでとう!!』
全楽器で織り成す『Happy Birthday to you』がホールにこだました。
……一応防音ではあるけど、近所迷惑にならないかな……?そんな心配をしつつ、結局は私も歌で参加したのだった。
「うわぁ……! ありがとうございます!
こんな盛大に祝ってもらえるなんて嬉しいです!」
「ふふ……おめでとうございます、ユーフォさん。
……それはそうと、今日はエイプリルフールですね」
「バリトンくん、なんで今それ言うの!?
まさか、これも全部嘘……?」
「違う違う、ちゃんとみんなで準備したから!
はぁ……バリトン、いつもキツく当たってる分、今日くらいは優しくしてあげたら?」
諭すようにそう言うと、彼は心底嫌そうにため息をつきつつも、最終的には私の言葉に頷いた。
「はぁ……Aさんが言うなら仕方ないですね。
いつもすみません、何せ反応が良いのでつい。……けど、本当は好きですよ。ユーフォさんのこと」
「えっ……!?」
「……っふふ、嘘に決まってるじゃないですか。まるでシロガオサキみたいな顔してますよ?」
「あははっ、兄さんってば流石に可哀想ですよ。……っふふ」
……相変わらず綺麗な顔してえげつない皮肉かますなぁ、この兄妹……
「あはは……それより、今日の料理は全部アルサクが作ってくれたんだよ。ね?」
「まぁな。……少しの間とは言え、同じ家で暮らした仲だ。これくらい当然だろ?」
「おいしい……! もしかして、また料理の腕上げた?
前はビーフシチューで失敗してたような……」
「はぁ!? い、いつの話してんだよ! ……てか、お前がうちにいたのなんて、100年以上昔のことだろ?」
ユーフォを苦労人たらしめるのは、その歴史……というか家族構成の複雑さだ。
チューバを元としてドイツで誕生したが、一方でサクソルン属としてイギリスでも発達した。そのため、一時期はサックスやサクソルンと一緒に暮らしていたらしい。
「あはは、100年なんてあっという間だよ〜。
……けど不思議だなぁ、ユーフォちゃんと一緒にいる時間は、ものすごく長く感じるんだよね」
「それってどういう……?」
「……ふふ、ユーフォちゃんってば鈍いなぁ。
全然関係ないけど、嫌な時間って長く感じるよね〜。ね、トロンボーンくん?」
「な、なんで俺に聞くん!?」
……この3人の仲は、相も変わらず良好とは言い難い。
オススメの楽器さん
バスクラリネット
31人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もも - べるーがさん» なんか泣ける… (4月19日 0時) (レス) @page44 id: 8826ef9895 (このIDを非表示/違反報告)
べるーが(プロフ) - ももさん» すみませんお待たせしました!! いつも以上に作者の趣味全開で書いてしまって本当に申し訳ないんですが、よければお納めください……🙇🏻♀️ (4月17日 1時) (レス) id: a87c674b3c (このIDを非表示/違反報告)
もも - べるーがさん» そうです!! (4月11日 0時) (レス) id: 2bfbe6c963 (このIDを非表示/違反報告)
べるーが(プロフ) - ももさん» リクエストありがとうございます〜!! 一応確認したいんですけど、弦楽器のコントラバスで合ってますか……?? (4月11日 0時) (レス) id: a87c674b3c (このIDを非表示/違反報告)
もも - べるーがさん» リクエストでコントラバでお願いします!!! (4月9日 15時) (レス) id: 2bfbe6c963 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:べるーが | 作成日時:2023年3月1日 23時