. ページ46
深澤side
最悪、最悪だ。ほんとに、最悪。
軽く挨拶をしてしてスタジオを出た途端緊張が緩んだのか体に力が入らなくて。
ちょっと歩いて止まって休憩して、また歩いて、の繰り返し。
すぐそこのトイレに行くだけなのに数分かかった。
ここで誰かに頼れたらよかったけどさ、メンバーいないし、マネージャーにも迷惑かけたくないし。
やっと辿り着いた個室で便器に顔を埋めて、吐こうにも出てこないものに嫌気がさす。
「ぇほっ、…出ろよ、くっそ」
出ねえ、なんも。
吐く体力さえないのかよ。弱っちい。
わかってるよ、わかってる。
この状態がおかしいことも、これを放っといたら大変になることも、助けを求めなきゃいけないことも。
でももうそんな力なくてさ。
気付いたら体の力が抜けてて、ゴンッて音がしたかと思ったら床に倒れてた。
…あれ、個室の鍵閉めてなかったんだ。
限界すぎて逆に余計なことを考えられるらしい。
「っ、けほっ、ん、ごほっ、う、おえっ」
迫り上がってきたかと思ったら今さら出てきたらしい。
せめて便器の中だったらよかったのに。
意識がふわってしていく。
あー、もうだめって合図かな。次目覚めたら病院で重症になってるとかほんと勘弁なんだけど。
いや、重症以上だったら、
？「ねえめめー！俺トイレ行ってるから先帰っといて！」
？「おう。あ、なんか飲みもんいる？」
？「あー、なんかあったかいの！蜂蜜レモンとか！」
？「了解。先帰っとくぞ」
？「うん、すぐ行くー！」
あれ、聞き覚えのある声。
だんだん足音が近づいてきて、やっとトイレに入ってきた、かと思えば
？「えっ！！！！ちょっ、大丈夫ですか？！…て待って、ふっかさん？…ふっかさん？ふっかさんじゃん！」
大丈夫？！って抱えて起こしてくれるけど、残念なことに大丈夫ではない。
ラ「え、あ、えっとどうしよう！、あ、めめ、めめなら分かるかも。ふっかさん待っててね、今めめ呼ぶからね、すぐ来てくれるから！」
必死に電話してる声が聞こえて、
助けてだとか、ふっかさんが、だとか、死んじゃうとか、ほんとにまあ泣きそうな声で。
ラ「あ！！めめ！！」
目「ラウ、ふっかさんは」
ラ「ここ。どうしよう、もう意識もほとんどなくて」
目「ラウ、ふっかさんなんの仕事してたか分かるか？」
ラ「や、わかんない」
目「ふっかさん、アレルギー出てるかも」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1264人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
白桃(プロフ) - リクエストです！ラウールが喘息を隠しててみんなの前で発作が出るというお話が読みたいです。看病はメンバー全員でお願いします！ (2021年12月24日 21時) (
レス) id: d4b936d1d0 (このIDを非表示/違反報告)
丼 - リクエストお願いします。めめが喉風邪になってしまうお話が見たいです！看病はメンバー全員でお願いします！！ (2021年12月21日 14時) (レス) id: f66d9e7345 (このIDを非表示/違反報告)
さく(プロフ) - リクエストお願いいたします。阿部ちゃんアレルギーみたいです。 (2021年12月19日 20時) (レス) id: 137beba8ce (このIDを非表示/違反報告)
うっちー - 佐久間くんのお話、とっても素敵です＾＾続きが楽しみです＾＾ (2021年12月7日 0時) (レス) id: 49ca3e4bb9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - リクエスト失礼します。ダンスが思うように踊れず焦って過呼吸になってしまったラウールを、いわふかが看病するお話が読みたいです。よろしくお願いします！ (2021年9月5日 10時) (レス) id: f525a465ef (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：やまさき | 作成日時：2021年4月16日 17時
