林檎6 ページ7
何やら太宰さんについてもめたらしく、敦君はやつがれくんに銃を突き付けて言った
私たちはエレベーターを降りる
「一緒に行く」
「え!?」
◇
「なんでこんな奴と一緒に行くの…」
「情報をもってる、このマフィアの秘密通路も使える、何より、異能力を取り戻した彼らは戦力になる、澁澤を排除する目的は同じ」
「だけど…」
敦君はまだ何か言いたそうだ
「鏡花…母親の形見の携帯は、まだ大事にしているようだな」
「母親…」
「そんなことも聞いてないのか」
あまりいじめてやるなやつがれくん
「最短ルートは?」
「0505だ」
「地下道を抜けたら気を付けて、先回りをされている」
「了解した」
◇
マンホールを恐る恐る開け、地上に出て周りを見渡す
「僕の存在を感じられるのも道理か…」
するとやつがれくんが声を押し殺し、唸る様につぶやいた
見上げると、建物の上には羅生門
「手伝う…」
「いらぬ…!己が力を示すためあらゆる夜をさまよい、あらゆる敵を葬って来た…
だが盲点だった、戦い、倒す価値がある敵がそんな近くにいるとはな…」
ポケットに手を突っ込み、いつものように外套を揺らめかせながら霧の中を進んで行く
「やつがれくん…」
「A、貴様も分かっているはずだ、貴様が言った、己の果たすべきをしろと」
そういわれ、何も言い返せなくなっていく
やつがれくんは強い、太宰さんにしごかれ、ぶっ叩かれ、殺されそうになりながらも、地をはいずり、泥水をすすりながら生きてきた人間だ
体が弱いのに、倒すべき敵を前にしてもひるまず進もうとする
「やつがれくん、太宰さんはね…」
目の前の黒い外套はぴたりと止まった
「ううん…やっぱり何でもない」
これは私の口から話すべきことではない、やつがれくんと太宰さんの間の絆は彼らだけが知っていて、彼らだけでしか見つけられないものだ
私が黙り込むと敦君は心配そうな目で私を見つめて、やつがれくんは再び歩み始めた
「勝手な行動を…」
「今はそれぞれやるべきことがある…あなたもなすべきことをして…!」
右からは夜叉白雪、左からは白虎
そして後ろからは
「ようやくお出ましだ、体力の温存は出来たかな?」
「Aさん!?」
敦君はまだ戸惑っている様で、戦おうとはしない
「敦君…自分の異能力を愛してあげることで、より強くなれる、そうだろう?」
「ならやるべきことは分かっているはずだ」
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ホウ酸(プロフ) - アイザックさん» おっとティッシュどうぞ((((青の時代はいいですよ← (2020年5月25日 9時) (レス) id: d043e2c381 (このIDを非表示/違反報告)
アイザック - 作中に恋人繋ぎのシーンも......wwあっら鼻血が← (2020年5月25日 7時) (レス) id: cb0f0ed2ac (このIDを非表示/違反報告)
ホウ酸(プロフ) - 柊苺さん» いやもうほんとですよ、文ストの公式わかってますね((何がとは言わない( ˙-˙ ) (2020年5月19日 14時) (レス) id: d043e2c381 (このIDを非表示/違反報告)
柊苺(プロフ) - ホウ酸さん» ねぇ、奥さん見ました?汚濁解除する時頬に手を添えたんだですよ…(((あれはもう。公式やっちゃっいましたね(?) (2020年5月19日 14時) (レス) id: 30ac6fcd11 (このIDを非表示/違反報告)
ホウ酸(プロフ) - 柊苺さん» ねぇ....奥さん、しかも太宰さんが頭押さえつけたんですよ??(((どこにとは言わない、真面目に発狂しましたね (2020年5月19日 14時) (レス) id: d043e2c381 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ホウ酸 | 作成日時:2020年5月13日 21時