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林檎13 ページ14

「それより、Aちゃん…」

「はい?」

「魔人にはなにもされなかった?」

「あぁ〜えぇっとぉ…狙われちゃうみたいです、これから」

「はぁ…君にはもう少し自覚を持ってほしいね」

「私だって別に好きで狙われてるわけじゃないですよ」



私の膝に乗った中也ちゃんの頭をなでる、なんで膝枕してるのかって???
ぐへへへへへへ


なんでだと思う???(((



ていうか髪の毛ふわふわやん、女子力高っ…





「太宰さんはこれからどうするんですか?」

「魔人は澁澤を特異点にするだろうね…私のやることはもうないよ」

「太宰さんは……」



その言葉の続きを言おうとしたがやめた



この人は冷酷で、厳しい人間だが、それ以上に優しくて愚かだ



今は自分のしたことに対するいろんな思いが混ざって複雑だろう





太宰さんは少し悲しそうに笑って、こらえきれなくなったように言った



「Aちゃん…私は今回ね……」

「太宰さんは町を守ろうとしてくれたんでしょ?」




太宰さんの言いたいことを遮り、私が口を開くと、彼は少し驚き目を見開いた




「私が、そんなにいい人に見えるのかい??」



馬鹿げた質問だ



全く…本当に馬鹿げている




「太宰さん、頭はいいのに馬鹿なんですね…見えるに決まってるでしょう?」




そういうと今度は本当に驚いたようで、大きなお目目をこれまでかというくらい、見開いた



「馬鹿だなんて酷いなぁ…私だって好きでやったわけではないのだよ??」

「知ってますよ、そのくらい…太宰さんは自分のことになると本当にお馬鹿さんになっちゃうんですから」

「辛辣じゃない?ちょっと」





すると地面がぐらぐらと揺れ始め、轟音と共に大きな衝撃が伝わってきた





空は一面青く光り、そのまぶしさに思わず目をつぶる





「終わったかな…」




太宰さんはそうぽつりとつぶやき、よいしょっと立ち上がった






周りに靄をかけていた霧も徐々になくなり、はるかかなたから昇る太陽に目を細める






「じゃあAちゃん、蛞蝓を宜しくねぇ〜」

「えぇ〜!!太宰さんも手伝ってくださいよ!!もう私だってクタクタですよ…」




そういうが太宰さんは手を振るばかりで振り替えることなく、がれきの中に歩いて行った




敦君たちのところに戻って行ったのだろうか





膝の上で呑気に眠る中也ちゃんをみては、洩れる安堵のため息と愛おしさに胸が熱くなるのを感じながら







昇る朝日に目を閉じた

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ホウ酸(プロフ) - アイザックさん» おっとティッシュどうぞ((((青の時代はいいですよ← (2020年5月25日 9時) (レス) id: d043e2c381 (このIDを非表示/違反報告)
アイザック - 作中に恋人繋ぎのシーンも......wwあっら鼻血が← (2020年5月25日 7時) (レス) id: cb0f0ed2ac (このIDを非表示/違反報告)
ホウ酸(プロフ) - 柊苺さん» いやもうほんとですよ、文ストの公式わかってますね((何がとは言わない( ˙-˙ ) (2020年5月19日 14時) (レス) id: d043e2c381 (このIDを非表示/違反報告)
柊苺(プロフ) - ホウ酸さん» ねぇ、奥さん見ました?汚濁解除する時頬に手を添えたんだですよ…(((あれはもう。公式やっちゃっいましたね(?) (2020年5月19日 14時) (レス) id: 30ac6fcd11 (このIDを非表示/違反報告)
ホウ酸(プロフ) - 柊苺さん» ねぇ....奥さん、しかも太宰さんが頭押さえつけたんですよ??(((どこにとは言わない、真面目に発狂しましたね (2020年5月19日 14時) (レス) id: d043e2c381 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ホウ酸 | 作成日時:2020年5月13日 21時

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