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まだ日も昇っていない時間にそろりそろりと帰宅
銀ちゃんのいびきが聞こえるし神楽ちゃんも絶対起きてるわけが無い。

なるべく音を立てないように布団の中へ忍び込み眠りについた。


暫くは昼夜逆転にも似た生活が続くのだろう。
最低でも1週間はお願いしたいと昨日依頼を受けた時に言われていた。

だが、どうやら私、人気らしい。
まあこの美貌ですし?貢ぎたくなる気持ちは分かるけど?

と、ふざけるのもここまでに。
だけど実際人気なのは確かだ。新しく入った子はみんな気になるのだろうか、色んな場所から声がかかり色んな場所へ移動した。

華やかな着物を着るのは初めてで少し恥ずかしかった。
綺麗に化粧を施されたのだって初めて。
顔に塗られていたものなんて、はるか昔の記憶を掘り起こしてみても血だったり、女の子には似つかわしくないものばかり。
ちょっとナイーブ

結局起きたのは昼過ぎ
新八に「さすがにそれはどうかと思う」と引かれたのだがこの際なんだって言え。私は働いてんだ

だけどその後に「体調悪いんですか?」と心配してくれたので1個前の件は水に流そう。
体調は悪くない、と告げればお昼ご飯を出してくれる。
このまま優しい子に育って欲しい。


「で、昨日いつ帰ってきたんだ?」

「え?」


昨日依頼があったからかいつもより豪華なご飯を食べていれば銀ちゃんに声をかけられる。
死んだ魚の目みたいな瞳に見つめられるとちょっと気まずい。


「とぼけんじゃねーよ、散歩っつって夜出てったろ。1時間以上ほっつき歩いて何してたんだ」

「Aちゃんだめヨ、夜は危険アル。酔っぱらいうじゃうじゃ湧いてるネ。酔っぱらいは危ないって銀ちゃん見て学ばないアルカ?」

「私つよいし大丈夫。ていうか銀ちゃんそんなに起きて待ってたの?ごめんねぇ猫ちゃん見つけてはしゃいじゃったあ。昨日依頼連れてってくれなかったし」

「、、、今度な」


心配してくれてたのは嬉しい。
だけどまさか1時間以上も寝ずに待っててくれたなんて
少しだけ罪悪感が募る。
やっぱり、正直に言った方がいいかなぁ


「今日も散歩行くの?」

「うん」

「じゃあ俺も行くわ」

「え?」


なんて???



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作者名:くずもち | 作成日時:2020年3月3日 17時

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