【男主】人生記【eoh.eoh】

100枚目 ページ7

「お邪魔しまーす」
「…し、ます」

笑いをこらえるあろまと申し訳なさそうに入るA。
それを笑いながら迎え入れる我が母。

「えおえお〜、そんな顔してないで早く言えよ〜」

からかっています、と言わんばかりの笑顔。
あろまはニヤニヤと俺の方を見てくる。

「いや…これはだな」
「隠し子だろ？むっつりなんだからぁ〜」
「まあ！あんた！」
「母さん落ち着け、こいつの言ってることを信じたらダメだぞ」

あろまの戯言を信じてしまう母を落ち着ける。
17の子供って俺何歳の時に生んだんだよ。
普通に違反じゃないか。

「重いでしょう、部屋に置いてきましょうか？」

母親は流石だと思う。
怖じける様子もなく後ろにいるAに笑いかける。

「人見知りっ子なのねぇ」
「あろまと同じだな」
「あ？パパ、寝言は寝てからですよ〜」

敢えてパパと呼ぶあろま。
くそ、言いたい放題だな。

「あんたも手伝いなさい」
「……はい」

実家での俺の立場はこんなに弱かっただろうか。
父母の次くらいだと思っていたのにあろまとAの下だとは。
お客様糞くらえ。

「狭い家だけどどうぞ」

深々とお辞儀をして家に入るAとずかずか入るあろま。
母の方を見ると二人を微笑ましそうに見ていた。

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