茨の狙撃手2【ゴールデンカムイ】 (ページ11)

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59話ページ11

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『来ない…よし、尾形、谷垣!!忍者になるぞ!!!』

谷垣「忍者…ですか？」

尾形「(また馬鹿なことを…)」

そう言うとAは自分のマントと尾形のマントを剥ぎ取って2体のカカシを作り始めた
朝方ならまだ起きている人間も少ないはずだしきっと今なら逃げられる

壁に寄りかかるようにして2体のカカシを作り谷垣を檻から出した
うん、我ながらいい出来…後はバレないようにここから退散するだけだ

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キラウシ「いたぞッ!!逃げた3人だ!!」

『あっは～w殿は務めるから先行って！』

谷垣「でも、殺すのは…」

『谷垣ｨ～私は軍曹だよ？体術だって心得がある！行きな！』

くるりと向き直り突進してきたキラウシを背負い投げで投げ飛ばす
転がって行った方向に走り始めもう一度技を仕掛けようと足を踏み出した時だった

『おぶっ!?』

ヤチマナコ!?
湿原の落とし穴と言われるソレに足を踏み外した
Aは泳げない…
必死に息を吸おうとバタバタと暴れてみるも身体は沈んでいくばかり

『(やばい…これは死んだ………)』

空を掴むように水面をかいたのを最後にAの意識が遠のいていく
ふと身体が強い力で引っ張りあげられた

『ぶはっ…はぁはぁ……ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ』

尾形「ったく世話焼かせんな」

『お…がた……ｹﾞﾎｯあ、ごめん』

声のした方を見やると尾形がAを水面に引っ張りあげてくれていた
顔を見て安心したのか1度水を吐き出すとそれが彼の顔面に綺麗にヒットする
いや、わざとじゃ……

谷垣「小蝶辺軍曹!!!」

尾形「谷垣、引っ張りあげろ」

その言葉を合図に谷垣に陸へと引っ張りあげられ地面のありがたみを知る
水なんて嫌いだ…ﾋﾝｯ!!!

アシㇼパ「ウコチャヌㇷ゚コㇿ!!!」

『は!?アシㇼパ!?何で大声でそんなこ…と……』

大きく空を舞うヘビに熊が怯んだ隙を狙って下半身丸出しの男が背後から熊を突き上げた

尾形「なんてこった」

キラウシ「信じられん…みんな見てるか？」

突然の出来事に熊も人間もみな思考が停止する

杉本「やりやがった!マジかよあの野郎ｯやりやがった!!

姉畑支遁すげぇｯ!!」

杉本の大声に駆り立てられるようにAは尾形から銃を奪い取る

『尾形、銃借りるよ』

尾形「おい、何す…」

それが言い終わらないうちにAは引き金を引いた
スパンっと空を切り裂く音が木霊し姉畑支遁の眉間を貫通した