初めてのデート 〜4〜 ページ43
「フロイド先輩、お待たせしましたっ」
急ぎ足でAが戻って来た。
「うん。大丈夫だよ〜」
「トイレが並んでて、時間かかっちゃいました」
「こんだけ混んでるもんねぇ。料理来るまで時間も掛かりそうだねぇ」
「………」
「小エビちゃん?」
気付くとクリスが斜め向かいに座ったAを微笑みながら見つめていた。
Aは怖くなって下を向いた。
「何見てんだよっ」
隣に座るクリスをフロイドか睨みつける。
「これは失礼…」
クリスがわざとフロイドにニヤリと笑って見せた。
「うふ…」
そのやり取りをステラがクスクス笑って見ていた。
席を変えてもらうにも、あまりの混雑にそれは難しそうだった。
しかし、その後はクリスもステラもフロイドたちに絡んで来ることは無く、フロイドはAと会話を楽しみながら美味しくオムライスを食べる事が出来た。
隣のクリスたちも、初めてのオムライスに感動し、オムライスに夢中になっている間にフロイドはとっとと店を出た。
「すっごく美味しかったですね〜っ」
「でしょ?ホワイトソース、初めて食ったけど、結構美味かったねぇ〜」
「はいっ。デミグラスソースも、フロイド先輩が好きなだけあって、最高でしたねっ」
「うん。また今度は違うソース、頼んでみよーねぇ〜」
「うふふ。楽しみです」
二人は手を繋いで歩き始めた。
「そう言えば、隣の席にいた二人、めちゃくちゃ美形カップルでしたよね…。最初に、男の人が私をじっと見てきたから怖かったけど、二人ともラブラブな感じでしたよね」
「へぇ。小エビちゃん、結構あの二人を観察してたんだぁ」
「だって、あれだけ美しいオーラ放たれてたらみんな見ちゃうでしょ?」
「オレは小エビちゃんしか見な〜い」
「私ももちろんフロイド先輩が一番ですよっ!でも…、隣の女の人も凄く綺麗だったな…」
「人は見た目じゃないでしょ?」
「そうですね」
「オレは小エビちゃんが好き。小エビちゃんはオレが好き。それでいーの」
「はいっ。フロイド先輩、大好きですよっ…」
「うん。目覚まし時計、買うんでしょ?」
「買いますっ!」
「じゃ、時計屋さんに行こっか」
「はいっ」
時計屋には大きな柱時計から可愛らしい目覚まし時計まで、たくさんの種類の時計が揃っていた。
「フロイド先輩っ!見てくださいっ」
Aがフロイドの手を引っ張って目覚まし時計の並ぶコーナーへ行く。
「凄い可愛いですね」
Aがうさぎの時計を手に取った。
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作者名:魅樹 | 作成日時:2023年4月23日 16時