検索窓
今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:43,636 hit

再会 ページ9

.



彼から指定された、ムゲンの溜まり場だった場所に、ヤマトと2人でバイクを走らせた。

「…琥珀さん!今までどこ行ってたんすか!」

その後ろ姿を見つけると、バイクを降り、嬉しそうにヤマトが声をかけた。

「あれ?まさか、あれっすか?感動の再会に泣いてるんすか?」
「…お久しぶりです。琥珀さん。…あの時以来ですね。」

ヤマトがニコニコと話し続ける中、静かに近寄り、コブラも声をかけた。

振り返ろうともしない琥珀に、電話してきた用件を尋ねるために。

そして、彼女の“イマ”を知るために。



「…俺らに話って、何なんですか?」



チラリとこちらに顔を向けた琥珀は、また顔を正面の壁の方へと向けた。

「…山王の頭はコブラか?」

何も答えないコブラと、琥珀の異様な雰囲気にヤマトがきょろきょろと顔を動かす。

「…今から山王は俺の指示で動け。」
「…琥珀さん…どういうことっすか…?」
「…SWORDは、俺が貰う。」

ようやく振り返り、静かに宣言した琥珀の、以前とは違うオーラや威圧感に、思わず息をのんだ。

「…何すか、それ…。」
「まさか…今回の一件、琥珀さんが…?」
「だったら、何だ。」

ここ最近の襲撃を思い出した問いに、被せるようにして、表情も変えずに言い放った琥珀を、コブラは静かに睨みつけた。

「ちょっと待ってくださいよ、琥珀さん…どうしちゃったんすか…?」

ヤマトがそう尋ねながら琥珀に近寄ると、琥珀はヤマトの襟元を掴み、容赦なくヤマトに殴り掛かり、蹴り飛ばした。

「…ヤマトっ!」

ヤマトに駆け寄ったコブラにも近づき、グイッと髪の毛を引っ張り上げる。

「何なんすか…っ!」



これが、彼女が泣くほど愛した男だっただろうか。



目の前の、冷たい表情をした琥珀を睨みつけながらも、ぼんやりと、頭の片隅で、そんなことを考えた。


「…いいな、俺の言う通りにしろよ。」


蹲るコブラとヤマトに、そう言い残し、そっと自身の頭に手を添えながら、バイクに跨り、走り去って行く。

争いの始まり→←着信



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (65 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
165人がお気に入り
設定タグ:HiGH&LOW , ムゲン , 山王連合会
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

- もう更新はされないのでしょうか? 最初から一気に読ませてもらいましたがとても続きが気になります。更新されるの待っていますね。 (2019年5月12日 20時) (レス) id: 8656a872ff (このIDを非表示/違反報告)
青龍 葵(プロフ) - 更新されないんでしょうか? (2017年12月24日 3時) (レス) id: 7069733e86 (このIDを非表示/違反報告)
雨宮夢叶(プロフ) - 続きが楽しみです!更新頑張ってください! (2017年8月6日 16時) (レス) id: 556da1689c (このIDを非表示/違反報告)
白濱ゆあ(プロフ) - 更新楽しみにしています!!!頑張ってください(*^^*) (2017年6月12日 3時) (レス) id: 0c3fdd77dd (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:にゃんちゅう | 作成日時:2017年3月13日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。