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何 気 な い 一 言 。 ページ10

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リビングに彼女と話しながら入っていくと、ゲームしてる連中を見て「遊んでやがる!」と笑う彼女。



俺との二人の時間はてつやの「A〜!」と呼ぶ一言で呆気なく終了を告げる。


ゲームを辞めてぞろぞろとみんなAちゃんの周りに集まる。



り「久しぶり!元気してた?笑」


「うん、元気すぎるくらい笑」


ゆ「おばさんは?」


「元気だよ、ゆめまるに会いたがってたよ〜笑」


し「いつまでこっちにおれるん?!」


「あー、明日の昼には帰らなきゃなんだよな〜…笑」


て「へ?!そんなに急いでどうする!ゆっくりしていきん!」


「そうしたいの山々だけど、月曜からも学校あるしね〜?笑」



土日休みを返上してオーキャンに来ていた彼女、言ってることは正論中の正論なのに「え〜…」と駄々をこねるてつや。


だが、昔からてつやの扱いが上手い彼女にはその手の作戦は通用せず、おだてられて調子に乗り、すぐにしょぼくれた顔から笑顔へと変わる。



それぞれが話したいことがありすぎるのか、彼女の隣には常に他の奴らが座っていて、積極性のない俺には入る隙すらなかった。



「泊まっていきん」と優しい言葉をかけてくれたおばさんの一言にみんなは浮かれ、はしゃぎすぎたのか、あのりょうでさえ時間が0時になる頃にはぐっすり眠ってた。


リビングのテーブルを借りて勉強してると隣の椅子に座り、俺のノートを覗き込んできたのはAちゃん。



と「おわっ…!びっっくりした…笑」


「あはは、ごめんごめん。笑」



「ノート綺麗だね〜」と感心するように褒めてくれる。


彼女からしたら何気ない一言でも、俺にとっては勉強の活力になる魔法の言葉のようだった。



「まだ寝やんの?」


と「ああ、できる時に勉強しとかんとね。笑」


「へぇ〜、としみつくんって意外と頑張り屋さんだったんだ。笑」


と「意外とは余計な?笑」



やっと二人で話せている気がして、気づけば勉強する手も止まって彼女と話しこんでいた。





翌日、昼頃帰ると言っていた彼女は、朝だというのにもうその姿がなかった。


おばさん曰く、「お見送りされると泣きそうだから。笑」と彼女お得意の微笑みで帰って行ったらしい。







また数ヶ月彼女には会えない。



少しでも俺を意識してほしくて、





会えない期間も、珍しく自分から積極的に連絡を取り続けた。









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彼 女 の 将 来 。→←精 一 杯 の 独 占 。



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作者名:すーさん。 | 作成日時:2019年5月28日 0時

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