なんだ、アオハルかよ。 (ページ9)

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精一杯の独占。ページ9

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彼女がオーキャン終わりにゆめまるの家に泊まりにくると聞いて、みんなが杭全家に集まっていた。

俺を含めなぜか全員泊まりの荷物を用意して。

と「おばさん、これここでええんかや？」

ゆめ母「ん？うん！上出来上出来！笑」

みんながゲームをしている間、じゃんけんに負けゲーム機が手元になかった俺はゆめまるの母さんの手伝いをしていた。

料理を運んだり、少し手伝ったり。

大したことはしてないのにおばさんはめちゃくちゃ喜んでくれた。

夕方頃、ゆめまるの家のチャイムが響く。

ゲームに夢中でチャイムに気づかん奴らにため息をつき、後片付けが忙しそうなおばさんに｢としみつくんお願い！｣と言われ、

俺が玄関の扉を開けると目の前にいたのは、久しぶりに会う彼女だった。

「と、としみつくん…？！笑」

と「ひ、久しぶりっ…！」

パァーっと笑顔になっていく彼女を見とると、なんだか俺まで笑顔になれた。

と「あ…！みんなおるよ、上がりん…！」

「ふふ、なんかとしみつくんの家みたい！笑」

と「あ、えっと…笑」

話したいことはたくさんあった、けど何から話せばいいのか分からんくて、結局いつも通り何も話せん俺がおる。

「としみつくん、受験はもう終わった？」

そんな俺を見兼ねてか、靴を脱ぎながら俺に質問してくれる彼女。

と「あ、いや、年明けが入試で…！」

「あ、じゃあ私と変わらんくらいかや？お互い頑張ろ！ね？笑」

変わらん笑顔、変わらん口調、変わらん優しさ。

俺の好きなままのAちゃんに、また恋心を奪われる。

「年明け受験だげ、またこっちに来るから、としみつくんが会えそうだったら、その時また会えるね！」

と「会えるよ…」

「え？」

と「予定空けとくげ、来る日分かったら前もって連絡してくれん？次は俺に…。」

精一杯、今俺が言える最大限の言葉。

君をドキッとさせれそうな言葉。

これ以上は俺が緊張しすぎて、まだ君に『好き』とは言えんかった。

でもAちゃんは優しいから、｢うん、次はとしみつくんに連絡するね！｣と言ってくれる。

俺は性格ひねくれてるから、みんなと会う予定になんてせんよ？

みんなにはわりぃけど、そん時は俺一人で君を独占させてもらう。

だってそうやん？

俺は君が好きなわけで、

君に少しでも好きになってもらいたいわけで、

他の男といる姿なんて見たくないんやから。

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