男 だ け の 緊 急 会 議 。 ページ21
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撮影が終わってからみんなでいつもの様に帰る支度をする。
いつもと違うとこといえば今日はそれが帰るように見せかけたふりってだけ。
と「A、帰るげ」
「あ、うん、みんなお疲れ様〜っ」
て「おーう、また明後日な〜」
り「おやすみーっ」
一旦Aを家まで送るために二人で車に乗りこみ家へと向かう。
「としみつくん、今日何食べたい〜?」
と「ん?、あ、うーん…、オムライス!」
「あ、いいね〜、野菜も余ってたしサラダとオムライスにしよっかなー。笑」
いつも通り他愛もない会話をしながら駐車場に着き、探し物をするふりをする。
と「あ、やべ、てつやん家に忘れもんしたげ…。」
「あらら、取ってくる?」
と「あー、わりぃ、先帰ってて…?」
「うん、ご飯作っとくねっ!」
笑って優しく見送ってくれる彼女に嘘をついた罪悪感に見舞われながら、俺はてつやの家へと向かった。
と「遅くなってごめん。」
て「おー、おかえり〜」
り「としみつ長居できないでしょ、さっさと本題に入りたいんだけど…。」
気まずそうな顔してりょうがみんなに声をかける。
り「Aなんだけど…、もしかしたらあいつ妊娠してるかもって思って、」
重い口を開くりょうから衝撃的な内容聞かされる。
みんなが一斉に驚いて目線は徐々に俺に集まる。
て「もしかしてだけど、生でした…?」
と「え、そりゃあ、まぁ…。」
虫「としみつ、僕達はお前を責めてるわけじゃないよ?付き合い長いのも知ってるんだし。これはただの確認事項だから、ね?」
虫さんの一言に妙な安心感を感じ、ここ数日の愛の営みの行為を遡る。
と「三ヶ月くらい前、したかも。」
し「つわりがくる周期としてはどんぴしゃだな〜」
り「うーん、生理きてるかAに聞いて、きてないなら一回病院連れていくのも一つの手だと思うんだよね。」
ゆ「ひとついい?」
今まで一言も発さなかったゆめまるが軽く挙手して俺に視線を向ける。
毎度毎度、A関連のことになるとこいつはいつになく真剣だ。
ゆ「ほんとに妊娠だとして、お前はどうするつもり?」
真っ直ぐ、鋭いその目付きに惑わされそうになるが、答えはひとつしかない。
と「順序は逆になっちまうけど、籍入れてちゃんと幸せにする。」
俺がそう言うと、安心したように「そっか。」と微笑んだゆめまる。
その場の空気が一気に柔らかくなったのを感じた。
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作者名:すーさん。 | 作成日時:2019年5月28日 0時