「またな」 ページ8
突然のことに驚いたAは、目を見開くと同時にピクリと小さく肩を揺らした。
悟「コイツの中身知らねぇだろ!くっそ生意気だぞ!」
理「アンタよりマシでしょ!」
悟「お前も生意気だな!」
バッとこちらを向いた理子にまた驚いたAだったが、悟と理子を交互に見たあと営業スマイルのようにニコリと笑った。
『この人より俺のがマシ』
その笑顔と言葉に理子は嬉しそうな表情を浮かべ、悟は逆に青筋を立てながら口を引き攣らせた。
悟がAに向かっていこうとするところに「ハイそこまで」と傑が入ってくる。
傑「そろそろ電車の時間だ」
電車の方向は違うらしく、理子と黒井とはここでお別れ。
改札を通って「それじゃあ」と挨拶する時、理子がAの腕を引いた。
理「本当にありがとう」
『…もうその言葉は聞いた』
Aがそう言うと、理子は「それでもありがとう」と笑顔で言う。
もうAの記憶の中で死んだ天内理子はいない。
いましっかりと目の前で生きている。
そう思うと自然とAの口角も上がった。
『またな』
くしゃりと理子の頭を撫でると、Aは自分たちが帰るホームの方に歩いていく。
傑「もう少しちゃんとした挨拶くらいできないのか…」
そんな傑の声が聞こえたが、気にしない。
これからも挨拶くらい何回だってできる。
天内理子はちゃんと生きているのだから。
金が貰えるからと、なんとなくで始めた呪術師。
逃げたくないからと、自分を理由に強くなろうと思った。
だけど、人のために何がするのもいいかもしれない。
この日、少しだけAはそう思った。
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涼羅 - 最高すぎます! 夢主くんの不器用な優しさが大好きです!このまま全員で幸せに暮らしてくれー…(;;) (11月6日 20時) (レス) @page34 id: e29423faae (このIDを非表示/違反報告)
mami(プロフ) - すごくすごくすごく面白かったです!!!! (2023年2月20日 1時) (レス) @page34 id: a8940d6b3a (このIDを非表示/違反報告)
M - ハピエンサイコーです!!!!面白かったです!! (2022年11月9日 22時) (レス) @page34 id: 4b18ae76aa (このIDを非表示/違反報告)
来世はマカロニになりたい - めっちゃこの小説大好きです!!!番外編とかちょー好きです!!!!!!! (2022年3月27日 18時) (レス) @page34 id: ce524a8807 (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - 最高に面白くて良かったです! (2022年2月6日 12時) (レス) @page34 id: 8c70df45d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アコ | 作成日時:2021年2月27日 3時