生意気と後輩(2) ページ29
灰「あ!もう集合してる!」
七「早いですね」
担任が言った通り、数分後には2年生も集合場所にやってきた。
1年が挨拶をすれば、七海と灰原は返したが、Aは担任の方に顔を向ける。
『補助監督は?』
「それぞれにちゃんと付けるよ。車で移動してもらうからね。あの、龍神くん…もう少し話し方を…」
担任の説明を聞いたAは、彼の話を最後まで聞くことなく動き出した。
そして、その様子を緊張しながら見ていた伊地知にどんどんと近づいていく。
それに気づいた伊地知はギョッとしたが、動くことも出来ず、がしりと肩に腕が回された。
『行ってきマース』
伊「えっ、あの!?」
七「A、まだ話は終わっていませんよ」
『見たいテレビがあんだよ』
突然のことに驚きながらも、伊地知は慌てて足を動かした。その光景に他の1年と1年担任は驚いた表情をし、灰原は苦笑い、七海はため息をついていた。
他の1年の横を通り過ぎた時、ピタリとAの足が止まった。
そしてくるりと振り返り、一人の1年生をじっと見つめる。見つめられた本人はビクリと肩を揺らした後、固まってしまった。
『お前、単独行動はしない方がいいぞ』
その言葉に、担任と2年の表情が少し緊張したものになった。
「龍神くん、単独行動しなければ大丈夫かな?」
『多分な』
それだけ言うと、Aはまた補助監督が待機している方へと、スタスタと歩いて行ってしまった。
後ろの方で、担任の「彼の言うことは聞いた方がいい」という言葉が聞こえ、伊地知はチラリと未だに肩を組まれているAを見上げた。
Aの言葉を聞いてからの、担任と2年生の反応が変わったことに違和感を感じた伊地知だったが、その理由を聞く勇気も今は持ち合わせていなかった。
2079人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
涼羅 - 最高すぎます! 夢主くんの不器用な優しさが大好きです!このまま全員で幸せに暮らしてくれー…(;;) (11月6日 20時) (レス) @page34 id: e29423faae (このIDを非表示/違反報告)
mami(プロフ) - すごくすごくすごく面白かったです!!!! (2023年2月20日 1時) (レス) @page34 id: a8940d6b3a (このIDを非表示/違反報告)
M - ハピエンサイコーです!!!!面白かったです!! (2022年11月9日 22時) (レス) @page34 id: 4b18ae76aa (このIDを非表示/違反報告)
来世はマカロニになりたい - めっちゃこの小説大好きです!!!番外編とかちょー好きです!!!!!!! (2022年3月27日 18時) (レス) @page34 id: ce524a8807 (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - 最高に面白くて良かったです! (2022年2月6日 12時) (レス) @page34 id: 8c70df45d4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:アコ | 作成日時:2021年2月27日 3時