「行かなくても大丈夫」 ページ1
何の変哲もない日常生活だと、未来が見えたとしても特に面白いことなんてなかった。
逆に見たことある光景と全く同じことが数分後に起こるのは、もう知ってるとうんざりする。
数分ならコントロールできるようになってきて、それ以上になるとちゃんと見えることはたまにあるが、ほとんどが雑音混じり、全く見えないといったように不安定だった。
そして長時間だと体力といより脳が疲労していると感じる。
頭痛はなくても頭が重く感じたり、酷く眠くなる。
そのため練習を初めてから寝る時間が早くなっていた。
______…
『…っ!?』
ものすごい情報量を頭に流されたような感覚と同時に、ハッと目が覚めた。
キーンっと体験したことの無いほど大きな耳鳴りに、意味が無いとわかっていながらも両手で耳を塞いだ。
さっきのが夢だったのか分からない。
動いてもいないのに息切れが激しく、呼吸がなかなか整わなかった。
じわりと脂汗が出てきて、目を閉じれば先程の光景が勢いよく流れて目が回りそうになる。
どれくらい経っただろうか、やっと耳鳴りが止み、呼吸も落ち着いてきた。しかし、未だに心臓はどきどきと早く動いていた。
カーテンの隙間から、外がうっすらと明るくなっているのが見えた。
突然、トントンっとドアをノックする音が聞こえて、Aが返事をする前に開く。
灰「A、起きてる?」
普段なら絶対に起きていない時間。
それを分かってるだろと思いながらも、タイミングがいいのか悪いのか今日だけは目を覚ましていたAは、顔を覗かせた灰原に小さく返事をした。
顔だけ覗かせていた灰原は、Aが起きていることに驚きながらも返事を聞いてドアを普通に開けた。
灰原の後ろには七海も立っていて、早朝だからいつもより不機嫌そうだ。
灰「夏油さんたちから連絡があって、今から沖縄に…凄く顔色悪いよ?大丈夫?」
説明しながら入ってきた灰原だったが、Aの顔を見て言葉を止めた。
鬱陶しそうに前髪をかきあげるAの表情は、誰が見ても一目で悪いと分かるほど酷いものだった。
『へーき。で、どこ行くって?』
灰「えっと、沖縄に3人も来てくれって言われたんだけど」
Aの様子を心配しながらも説明する灰原。
七「その様子じゃ行けそうにないですね。私と灰原で…」
『行かなくても大丈夫。それよりも…』
七海の言葉に被せるように話し始めたA。
彼の話す内容に七海と灰原は目を見開いた。
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涼羅 - 最高すぎます! 夢主くんの不器用な優しさが大好きです!このまま全員で幸せに暮らしてくれー…(;;) (11月6日 20時) (レス) @page34 id: e29423faae (このIDを非表示/違反報告)
mami(プロフ) - すごくすごくすごく面白かったです!!!! (2023年2月20日 1時) (レス) @page34 id: a8940d6b3a (このIDを非表示/違反報告)
M - ハピエンサイコーです!!!!面白かったです!! (2022年11月9日 22時) (レス) @page34 id: 4b18ae76aa (このIDを非表示/違反報告)
来世はマカロニになりたい - めっちゃこの小説大好きです!!!番外編とかちょー好きです!!!!!!! (2022年3月27日 18時) (レス) @page34 id: ce524a8807 (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - 最高に面白くて良かったです! (2022年2月6日 12時) (レス) @page34 id: 8c70df45d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アコ | 作成日時:2021年2月27日 3時