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律の疑惑 ページ39

「キミにお姉さんがいるとは知らなかった」
「…は?」


生徒会の朝の会議が終わったあと、突然、副生徒会長に突拍子のないことを言われた

僕に姉なんていない、一体何の話だろうかと考えていると、生徒会長が口を挟んできた


「昨日の放課後キミのお姉さんが学校に来たんだよ
もっとも、キミにではなくキミのお兄さんの方に用事があったみたいだけど」
「…そうでしたか」


ここで僕に姉などいないと言おうかとも思ったが、事態がややこしくなるのはごめんなのでひとまず兄さんに確認をとることにした







生徒会室を出たあと、兄さんを探しに2年生の教室の方へ行った

ちょうどこのあたりの時間から生徒会ではない生徒たちも登校してくる

(兄さんも遅刻してなければ、もうそろそろ来るはずなんだけど…)

「あ!兄さ…」


僕は思わず声が止まった

なんと兄さんは廊下で不良に絡まれていたのだ
周りの人は知らん顔で通り過ぎていく


(あいつは確か、鬼瓦とかいう…)

もちろん鬼瓦には腹が立つが、周りの見て見ぬふりも気に食わない




「僕の兄さんに何か用でしょうか」
「あ?お前影山の弟か、だったらお前でもいいわ
聞きてーことがあるんだよ」

(僕に聞きたいこと…?)

「なんでしょう」と聞こうとしたとき、僕より一歩先に兄さんが口を開いた

「お、鬼瓦先輩!そのことはまた放課後に話しますから!
先輩は遅刻しないためにも早く教室に戻った方が…」

兄さんがそう言うと、鬼瓦は多少不満そうにしつつも、3年生の階へと去って行った


「ふう…
あ、ところで律はどうしたの?」
「そうそう、兄さん
昨日僕達の姉が学校に来たらしいんだけど…誰のこと?」


兄さんはビクッと体を震わせ、まごつきながら「ナイショだよ…?」と言い、僕に耳を貸すよう手で合図した


「ふーん、あの胡散臭いとこの人ね…」
「う、うん…
もしかするとまたお世話になるかもしれないからその時のためにあまり嘘だってことは人に言わないでほしいんだけど…」


ばつの悪そうに兄さんが頼んできた
兄さんの頼みなら断れるわけがない、また暴走されないためにも…

「わかったよ、誰にも言わない
じゃあね、兄さん」



(どうせその人も兄さんの力を利用しようとする悪いやつに違いない…
もし兄さんに何かするようならば…)

「潰す…」

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作者名:出島 | 作成日時:2016年9月5日 22時

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