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G線上の彼女 ページ37

「ということがあって、それ以来天牙さんはずーっとあんな状態なんですよ!」

びしっ!と相変わらず顔を赤く染め、ぼーっと明後日の方を見ている天牙さんを指差し、肉体改造部の武蔵部長に訴える

ここは肉体改造部で、俺達は天牙さんにこの校内で唯一喝を入れられそうな武蔵部長に相談しにきたのだ

「せっかく裏番のおかげで今この塩中はここら一帯で最強と言われるようになったのに、このままじゃ舐められてしまいます!!」

「そうっすよ!
俺達頂点まであと一歩だってのに!」


そう言うと武蔵部長は手を顎にあて、なにやら考えたあと

「俺は正直言ってお前らの縄張り争いの喧嘩は好かん!
そんなことしているより、今の状態の方がよっぽど良い!」

「そんな…っ!」

逆に俺達が喝を入れられてしまった


と、ちょうどその時、この間黒酢中との喧嘩でおとりに使った影山(だったはず)が他の肉体改造部員に担がれ運び込まれてきた

「ちょっとモブくんまた貧血で倒れたの?」

なぜか部室でゲームをしている女が言った

「す、すいません…」

ぜーぜーと苦しそうな息をもらしながら部室のベンチに寝そべった影山が言う

「ところで影山、今日は部活を途中で切り上げると言っていたが…
その体で大丈夫か?」

肉体改造部のひとりが聞く
どうやら今日、影山は部活を早退するらしい
(用事か?)

影山は思い出したかのように「あ!」と声をあげるとベンチの横にあったカバンから携帯を取り出し、どこかへと電話をかけた

「あ、師匠…はい、すいません…はい………え、Aさんが?…いえ、大丈夫です、はい」

影山は少しの間誰かと通話したあと、ぱたりと携帯を閉じた

「迎えにきてくれるそうです…」

「そうか、よかったな
安心したぞ」

「でもその体じゃまだ歩けないだろ
俺が校門で待ってその人をここまで案内しよう
どんな方だ?影山」

「すいません、武蔵部長
その人は女の人なんですけど、白くて大きなバイクに乗って来ると思います…」

(白くて大きなバイク…
そういえば天牙さんの意中の相手もそんなバイクだったな)

ちらりと天牙さんの方を見た
変わらず自分の世界に入り浸っている様子だ

「よし、わかった
影山は俺が戻るまで寝ておけ」

武蔵部長はそう言って肉体改造部をあとにした









そして約十数分後

武蔵部長に連れられ部室に入ってきた女は、やはりというかなんというか

天牙さんの意中の人だった

G線上の彼女 2→←以下、名無しにかわりまして超能力者がお送りします



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作者名:出島 | 作成日時:2016年9月5日 22時

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