S.S. Rush ページ29
「ショウ?」
「うお!」
思わず飛び起きる
Aは怪訝そうにこっちを見たあと、「朝ごはんできてるわよ」と机の上を指差した
「昨日はありがとうね、後片付けショウがしてくれたのよね?」
「…え、あ、おう
ってか俺も勝手に泊まって…悪かった」
パンをかじりながらちらりと向かいにいるAの様子を盗み見ると、Aは横で流れているニュースを見ながら「んー」と気の抜けた返事をした
どうやら怒ってないようだ
「ショウはこれからどうすんの?」
「島崎のとこ戻るけど…
やっぱAは今日も大学か?」
「そうよー」
ニュースを見ながら話半分でAが返事する
「俺も行っていいか?」
「んー」
暫くの沈黙
「えっ!?今なんて言ったの!?」
Aは目をかっ開き俺の顔を見て焦ったように言った
「大学でショウにかまってあげられないけど、ほんとに来るのね?」
暇よ?とAはさっきから何度も同じことを確認してくる
俺はAから受け取った半ヘルとゴーグルを装着しながら「どうせ島崎といても退屈だしいいんだよ」と言う
Aの近くにいると俺は不思議と退屈にならないことを知っていたので、そんなことはどうでもよかったのだ
バイクにまたがり、Aの腰にしがみつく
地に響くような低い音を出したあと、バイクは前へと進んだ
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作者名:出島 | 作成日時:2016年9月5日 22時