初心い男子高校生の恋【オリジナル】 (ページ10)

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緊急事態ページ10

昨日と同じように音楽に起こされた。みんなが食堂に向かう時間になって、翔を誘い女子部屋をノックすると桃が出てきた。

【みんなには部屋片付けてもらったから入って大丈夫だ】

［おはよう］

「はよ……ほら背中乗れ。朝飯食いに行くぞ」

［ありがとう］

食堂に着いて、食事後は暗夜行路……眩暈がする……

『よっしゃ〜暗夜行路、結構好きなんだよな〜』

［私も！見えないっていうのがスリル満点だよね〜］

『そうそう！』

「譲、張り切り過ぎんなよ。今も結構痛いんだろ？」

そう言うと肩揺らして目を逸らす。

『大丈夫か？顔真っ青だぞ！先生に言っとこうか？』

「悪りぃ。ちゃんと見ててやってくれ。頼む」

『りょーかい』

譲が心配で気がつかなかったが……相当疲れてるっぽい……すぐ布団に横になり、寝ることに専念した。

譲と海に遊びに行く夢を見た。

靴と靴下を脱ぎ、ズボンの裾を捲って海に入る。

しばらく走り回っていたら急に天気が悪くなり雨が降り出したかと思えば、譲の足が滑りあっという間に高くなった波に呑み込まれてしまった。

周りの人に止められながらも沖へ行こうとしたその時、譲が砂浜に打ち上げられたて、呼びかけた。だが、応えなかった。

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「譲ーっ！」

【［『『大丈夫？』］】

「っ譲！俺の前から消えないでくれ！」

［大丈夫。安心して］

俺の背中を撫でてくれた手は優しかった。

「譲〜っ！居なくならないでくれっ！頼む……」

［わかった。居なくならないから］

意識が遠のいた……

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譲が隣で寝ていた。記憶が全くねぇ…思い出そうと奮闘していると、譲が目を開いた。

［おはよう］

「はよ……何があった？」

［舜が熱出してて……私の名前を叫びながら起きたの。それで引っ付いてきて……］

「嘘だろ……ごめん急に抱きつかれて嫌だったろ……」

［全然大丈夫だよ。熱があったから怖い夢でも見ちゃったんじゃない？］

「情けなかっただろ」

［幼稚園児らしかったかな？］

「最悪……ちゃんと寝れたか？」

［それは大丈夫。じゃあ戻るね」

マジで恥ずい……絶望感に浸りながら、布団に潜ると自然と瞼が落ちてきた。