初心い男子高校生の恋【オリジナル】 (ページ9)

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譲の側に近づく危険ページ9

その日のノルマを終えると、昨日と同様、女子がやってきた。譲の姿が見えねぇ……どこ行ったんだ？不思議に思って、近くの女子に聞いた。

「なぁ譲どこ行ったか知ってるか？」

｛譲……？あぁ神山さん？なら、雪とか汐と一緒に西館の方に向かってったけど……｝

俺はいやな予感がして、ドアを出て西館に向かう。すると、窓の外から声がした。

〔……たと……なよ！〕

〈……なんかが……だろ！(ドン！)〉

「！？」

急いで外に出ると花澤雪と香野汐が譲に集っていた。

「譲！大丈夫か？」

［(コクッ)］

「良かった……いや、よくねぇなぁ」

俺はそういうと、花澤さんと香野さんに詰め寄った。

「おい、譲に何した？何言った？答えろ！」

〔“舜くんに気に入られたと、思うなよ。お前なんかが気に入られるわけないだろ！”って言いました〕

「はぁ？馬鹿か？譲は怪我してんだ。なのに、お前らに突き飛ばされて、痛くないと思うか？余計に悪化してんじゃないのか？人に怪我、させてるぞ」

〈〔そんなの知らない！〕〉

「お前ら絶望的だな。人に怪我させてんのに知らねぇだと？いい度胸してんなぁ？」

〈〔ご、ごめんなさいぃぃ〕〉

「謝るのは俺じゃねぇだろ！」

〈〔ごめんなさい、神山さん……！〕〉

［いいよ、元々怪我したのは私のせいだし］

「いいのかよ、それで」

［うん。謝ってくれてるし］

「だとよ。次やったらどうなるか知ってるか？あと、舜くんってやめろ。気持ち悪い」

そういうと、花澤さんと香野さんは逃げるようにして帰っていった。

「足、大丈夫か？」

［正直、大丈夫じゃない……］

「ん、乗れ」

［ありがとう……度々］

「俺も関係あるし、こんぐらいしねぇと気が済まん」

譲をおぶさって、先生の部屋へ向かうと応急処置をしてくれた。

｛結構痛いでしょ？｝

［はい……］

｛よく我慢してたねぇ……｝

「そんなに酷いんすか？」

｛脱臼する一歩手前だと思うよ｝

「っ！」

先生にお礼を言って譲を女子部屋に送ってくと、他の人も心配してた。俺も心配だったが、明日、もしまだ歩けそうになかったらおぶるから、寝ることにした。