置いてけぼりのハイキング:翔side ページ8
『よーし、じゃあ行こうぜ!』
[行こ行こ!]
【早く頂上に行きてー】
気持ちいい空気吸いてぇ……
[あのさ〜なんで二人とも私らのこと苗字の“さん”付けなの?]
『じゃあ下の名前で呼ぶよ』
[じゃあ、舜と翔って呼んでいい?]
『いいよ』
「あぁ」
【私もいいか?】
『なんで譲がよくて、桃はダメなんだよ……もちろんオッケー! だよな?』
「ん? あぁ、いいぜ」
〜十分後〜
『すげぇな……二人とも息も切れてねぇ』
【私は中学の時から陸上部だからな】
『舜は?』
「俺は息が切れにくい歩き方と呼吸法を調べてきたからな」
[私も調べてくればよかっt……うわぁ!(ズサーッ)]
【「『大丈夫(か)?』」】
[イテテ〜大丈夫〜]
「見せて、傷口」
[大丈夫だっt……足挫いたみたい……]
【どうすんだよ……】
「とりあえず、傷口見せろ」
[ありがとう……]
「水かけて、汚れ落としていいか?」
[うん……]
「滲みるかもしれねぇから、先に謝っとく。ごめん」
[舜は悪くないよ〜足元不注意だったのは私なんだからさ〜]
無意識なのか……?
[ありがt「背負ってく」え?]
何言ってんだ? 無意識確定だな……
「足、挫いたんだろ?」
[だけど……]
「じゃあ置いていくか?」
[それはヤダ]
「じゃあ大人しく乗れ」
[ごm「謝るんじゃなくて?」……ありがとう]
「ん。行こうぜ」
『……あ? あぁ』
【……わかった】
【……なぁ】
『ん?』
【あいつら……付き合ってんのか?】
『いや……舜の片想いだと思う。譲が舜のことどう思ってるかわからねぇから……』
【あれ……無意識じゃねぇよな?】
『無意識だと思う。あいつあんなに自分から率先して何かするようなやつじゃねぇから』
【すげぇな……】
やっとの思いで到着…頂上では午前中におばさんたちが作ってくれたおにぎりを食べる。木陰に座り、おにぎりの包みを開けていると、
[舜、さっきはほんとにありがとう。帰りは「俺が運んでく」……ありがとう。ご迷惑をおかけします]
「別に、迷惑じゃない」
マジでなんなんだ……無意識って怖ぇ……
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作者名:こう | 作成日時:2022年3月13日 23時