初心い男子高校生の恋【オリジナル】 (ページ4)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:953 hit

恋に落ちた譲:譲side ページ4

昼休み超絶暇だったから先生が全然来ない音楽室に行ったら、ピアノの前に先客が居た。同じクラスの古谷舜くんだ。目もすごい綺麗な子だから覚えてる。

［こんなところで何してるの？ピアノ、弾けるの？］

「(あぁどっかで見たことあると思ったら同じクラスの神山譲か)」

「いや、今はもう弾けない」

［今は？前は弾けてたの？］

「ピアノ教室に通わされてたからな」

［へぇ。何か弾いてくれない？］

“弾けない”？本当に？

「俺弾けn［弾いたの？］は？」

［弾けるかどうか確かめてみたの？］

「……」

［試してないんじゃん。今試してみたら？］

「ピアノ、辞めた理由が‘弾けなくなったから’だから。試す気なんて毛頭なかった」

［……そっか。じゃあ諦めr「弾いてみる」え？］

古谷くんはピアノの上に手をのせて、少し力を込めた。

「何がいい？」

［“遺伝子”がいい］

「分かった」

元気のある入り始める人気曲で、私もそのグループのファンの一人だ。

なんか途中で止まりそうになってたけど、うまいなぁ。すっごい上手だ……

最後の一音が終わり、彼の顔を見ると、驚いたような顔をされた。自分の顔に手を当てると濡れていた。

「神山さん、大丈夫？」

［……］

「いや……明らかに大丈夫じゃねぇな」

古谷くんはそう言って抱き寄せた。五時間目の始まりを告げるチャイムがなった。

「ハンカチとか渡されても困るだろ。胸貸してやるから、泣きたいだけ泣け」

［あ、ありがとう］

そのまま五時間目をサボり、ようやく私は泣き止んだ。

［ごめんね。迷惑だったでしょ……］

「迷惑じゃねぇし、なんで謝んだよ。悪りぃことしてねぇだろ」

［あ、ありがとう］

そういうと古谷くんは顔を赤くして

「おぅ。あと五分したら六時間目始まるぞ」

と言って、教室へ帰ってった。

っびっくりした……急に抱き寄せてくるんだもん……無自覚？イケメンに抱き寄せられちゃった……

結局私は六時間目もサボった。